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Our Stories:「ビジネスと人権」の話を気軽に。人権おしゃべり会「SCHR会×ENW」が目指すこと

人権は企業活動の基盤であり、企業はあらゆる領域・取り組み・場面で、常に人権に関わるリスクや影響を踏まえる必要があります。近年多くの企業が、人権リスクに対処するための人権デューディリジェンスに力を入れていますが、こうしたリスクの小さな芽は、日々の業務や生活の中での「モヤモヤ」や「違和感」といった身近なところに見え隠れしているように思います。
エコネットワークス(ENW)では、そんな小さな「モヤモヤ」や「違和感」なども含め、ざっくばらんに人権についておしゃべりができる場を、ビジネスと人権に取り組む「Social Connection for Human Rights(SCHR)」と共に毎月オンラインで開催しています。運営に関わるメンバーに、会に込める想いやセッションの様子などを聞きました。
どんなテーマで、どんな人が参加している?
人権おしゃべり会「SCHR会(ス茶会)×ENW」は、毎月1回・30分間のコンパクトで気軽な場として開催されています。ENWのパートナー組織であり、ビジネスと人権に取り組む「Social Connection for Human Rights(SCHR)」が2020年より行ってきた「SCHR会(ス茶会)」を、2025年からENWとの共催バージョンとして展開しています。
これまで次のようなテーマで開催し、様々な企業のDEI・人権・サステナビリティ推進担当者の皆さまが参加しています(各回の様子は、リンク記事をご覧ください)。
| 子どもの権利とマーケティング ~ファミチキの事例から考える |
| 実は間違ってる?効果がない?アンコンシャス・バイアス研修 |
| どこまで気をつける? インクルーシブランゲージ |
| 反DEIの動きから、企業のあり方を考える |
| 顧客満足と人権対応、その線引きは? |
| 従業員個人の信条が、企業方針と異なったら? |
| デジタル空間における人権リスク 企業にできることは? |
| 2026年の人権トピックス、どこに注目? |
人権はハードルが高い? まずは日常的に語ることから
- SCHRの皆さんは、ビジネスと人権を専門に活動する中で、なぜ「SCHR会(ス茶会)」を始めたのでしょう。

SCHRメンバーの皆さん (左上より時計回りに、鈴木真代さん・佐藤暁子さん・土井陽子さん・梁井裕子さん・樋口 利紀さん)
SCHR・土井陽子さん(以下、土井):
SCHRは、「ビジネスと人権」への取り組みを社会に浸透させるために、あらゆるセクター間の架け橋になることを目指して、2020年に立ち上げた団体です。当初は、人権に関して何が課題か(What)を伝えることが中心でしたが、今はどのように推進するか(How)に移行しつつあります。とはいえ、先進的な取り組みを行う企業から、これから方針を策定する企業まで、そのフェーズは様々です。
そのような中で、まずは人権問題が「ハードルが高い」「堅い」「面倒くさい」といった印象を取り除き、より多くの企業や人々に身近なテーマとして感じ、考えてもらえるような土壌をつくりたいと感じていました。
SCHR・鈴木真代さん(以下、鈴木):
そこで、まずはSCHRのメンバー同士による人権に関するおしゃべりを、皆さんに聞いていただくような場として「SCHR会(ス茶会)」を始めたんです。SCHRのメンバーは、それぞれがNGO・国際機関・企業など様々な組織の中で、サプライチェーン・紛争・難民・障害者・子どもなど多岐にわたる領域で人権に関わってきており(詳細はこちら)、多彩なバックグラウンドがあります。私たち内部のディスカッションも、皆さんにとって有益な情報になり得るかもしれないということで始めました。
「SCHR会(ス茶会)×ENW」で、視点やアイデアに広がり

ENW 野澤健さん
- 現在は、ENWと共催で「SCHR会(ス茶会)×ENW」を行っていますが、どのようなきっかけで始まったのでしょう。
ENW・野澤:
ENWは、20年以上にわたり環境や人権などサステナビリティに特化した企業支援を行ってきました。人権領域ではライツホルダーとの対話が重要であると考え、その知見が豊富なSCHRとパートナーシップを組み、様々な企業を支援しています。両社が持つ知見とネットワークを活かして、支援の幅や機会が広がっています。
また、ENWは2025年から、組織を超えて様々な人々が集う、学びと対話のプラットフォーム「Wave With(ウェーブ・ウィズ)」を立ち上げたのですが、対話セッションの一つとして人権もテーマにしたいと考え、SCHR会を共催でやってみないかとお声がけしたんです。人権をはじめとするサステナビリティ領域では、各社が共通の課題に直面するとともに、多くの課題は一社だけで解決することは難しく、こうした対話の場がカギを握ると考えています。
SCHR・鈴木:
ENWとの共催の会では、参加者である企業さんも交えて、よりオープンに対話しやすい場になっているので(もちろん聞くだけでもOK)、私たち含め参加者が、より多様な視点やアイデアを得ることができるなと感じています。
簡単に答えが出ないからこそ、まずは共有する・対話することが糸口に

SCHR 土井陽子さん
- これまでの中で、印象に残っている回はありますか。
ENW・野澤:
「子どもの権利とマーケティング ~ファミチキの事例から考える」ですね。論点が多く、正解がないようなテーマで、参加者からも色々な意見が出されました。「色々な意見を出しても大丈夫」という心理的安全性があるからこそ、様々な視点や声が共有され、新たな気づきが持てると感じました。
この回を受けて、関心を持った企業さんからご相談をいただき、同社の社会貢献部門内でも同じテーマで対話セッションを行ったのですが、非常に盛り上がりました。
SCHR・土井:
同感です。「従業員個人の信条が、企業方針と異なったら?」の回では、ガザ攻撃に関する従業員と企業のスタンスが相反する事例が取り上げられましたが、参加者からは色々な意見とともに、現場での難しさや葛藤も共有されました。簡単に答えが出ない問いに対して、葛藤や悩みも含めた問題意識を共有したり、一緒にアプローチを考えたりすることが、小さな糸口につながる気がしています。
- 「SCHR会(ス茶会)×ENW」は、これからどんな場でありたいですか。

SCHR 鈴木真代さん
SCHR・鈴木:
人権の話を気軽にできる場って、実際あまりないんですよね。日常生活や組織の中だと人権テーマを深掘りするにはハードルがあることもあります。だからこそ、モヤモヤや葛藤を気軽に共有できる「サードプレイス」を目指したいですね。サードブレイスだからこそ話しやすい、また人権という共通の関心や思いのある参加者同士という前提があるからこそ安心して話せる、そんな場にしていきたいです。
ENW・野澤:
人権領域では、多様なライツホルダーの視点や声を踏まえること、そのために対話することがとても重要です。組織を超えて様々な業界や立場の人々が対話することで、お互いに新たな気づきやヒントを得られる場になり、人権への取り組みを後押しする一助になればと思っています。
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