Works 実績
GRI「共通スタンダード、セクター別スタンダード」英日翻訳
GRI(Global Reporting Initiative)は、オランダ・アムステルダムに本拠地を置く非営利団体で、サステナビリティレポートにおいて多くの企業が参照する「GRIスタンダード」を発行しています。
背景
GRI共通スタンダード改訂版とセクター別スタンダードの日本語版を制作したい
2016年に発表されたGRIスタンダードのうち、共通スタンダード(GRI 1〜3/改訂前の名称はGRI 101〜103)が2021年に改訂されました。また40にわたるセクター別スタンダードの策定も始まり、2021年には1つ目となる石油・ガス(GRI 11)が公表されています。
エコネットワークスは、上記のGRI 1〜3、GRI 11の日本語訳をご依頼いただきました。
アプローチ
サステナビリティの知見を活かし、日本企業が正しく理解できる翻訳を
共通スタンダードが発表された2016年以降、サステナビリティに関するさまざまな国際基準が誕生しています。今回の改訂はそういった国際基準に示されている内容および表現が盛り込まれていました。そのため十分なリサーチを行うことで国際基準と同じ訳語を採用し、内容面でも整合させることで、読者の混乱を生まないようにしました。
存分に活かされたのは、これまで培ったサステナビリティレポート翻訳での知見です。企業さまの翻訳支援を通じ、翻訳メンバー内にはサステナビリティの知識が蓄積されていましたので、難解な表現についても文脈を理解し、正しく訳出することにつながりました。
一方、“should”の訳し方には注意を要しました。「開示事項」においては従来どおり「〜するのが望ましい」と訳すのが適切ですが、デューディリジェンスの文脈でのshouldは「〜すべきだ/しなければならない」とする必要がありました。そのほか、日本語版を査読してくださるピアレビュアーの皆さまともご相談し、日本企業のご担当者がGRIスタンダードを正しく理解できる表現にこだわりました。馴染み深い単語が珍しい意味で使われている箇所などもありましたが、工夫して翻訳しています。
GRIスタンダード日本語版はこちらに公開されています。
成果
新たなチャレンジでも、いつも通り丁寧な翻訳と進行
今回の翻訳は、GRIのCMS(コンテンツマネジメントシステム)に対応できるCATツール(翻訳支援ツール)を活用し、技術面でも新たなチャレンジとなりました。
しかし、クライアントさまとのやり取りはいつもどおり丁寧に行い、ピアレビュアーの皆さまとも綿密な連絡を心がけました。
私たちが翻訳した日本語版が、日本企業の皆さまのお役に立てることを願っています。