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魚が減っている? 水産資源管理で解決策を探る

(Photo by Paul Einerhand via Unsplash)
近年、報道で魚介類の不漁についての話題を目にすることがあります。確かに、これまで売り場でよく見かけたサンマやサバも、以前ほど身近ではなくなっています。気候変動や海流の影響、近隣海域での他国の操業など様々な要因が報道されていますが、日本の水産資源管理に根本的な問題があることにも目を向ける必要があるのではないでしょうか。
水産資源管理に成功している地域もある
実は水産資源は世界中の海で激減しているわけではありません。国連食糧農業機関(FAO)による2025年の報告書「世界の海洋漁業資源の現状に関するレビュー(Review of the state of world marine fishery resources)」(P27)によれば、南極大陸地域では100%、北東太平洋、北東大西洋、南西太平洋でも75%以上の水産資源が持続可能な水準*でした(2021年時点)。対して、日本が含まれる海域で持続可能とされている水産資源は63%でした。
*長期的に資源量を維持できる年間最大漁獲量である最大持続生産量(MSY:Maximum sustainable yield)を基準に判断。
ニュージーランドにおける水産資源の情報開示
水産資源管理の先進国であるニュージーランドは2025年11月の報告で、漁獲量の97%が、持続可能であることを示すsoft limitの基準を上回っていたと発表しました。政府は各魚種の資源状況を分かりやすく一覧にまとめて開示しています。資源状況の悪い魚種については、禁漁(closed)や漁獲可能量(TAC:Total allowable catch)の削減など、対策の概要も一目で分かるようになっています。加えて、資源状況の悪い魚種についてはさらに詳しく説明しています。例えば、禁漁中のホタテ(scallop)についてはこちらのページで確認できます。日本の資料も探しましたが、各水産資源の現状や対策についてまとめられた資料は、インターネット上で見つけることができませんでした。
市民社会で漁獲可能量(TAC)を監視する
ニュージーランドでは、2026年4月からイセエビが一部の地域で5年間、禁漁となります。これは非営利組織のEnvironmental Law Initiative(ELI)が訴訟を通じて漁獲可能量(TAC)の設定が不適切であると申し立て、勝訴したことが影響しています。TACは、専門家が科学的根拠に基づいて算出する生物学的許容漁獲量(ABC:Allowable/Acceptable biological catch)に基づいて設定されることになっていますが、その数字が適切であるかどうかも市民社会が監視しています。
乱獲を防ぐのに役立つ個別割当制度(IQ)
日本ではほとんど導入されていませんが、各漁船や漁業者に漁獲量を割り当てる個別割当制度(IQ:Individual Quota)はニュージーランドやノルウェーをはじめ、多くの国で乱獲を防ぐのに成果を上げています。世界を見渡せば、既に様々な資源管理の方法が実施されています。どのような外的要因があろうとも、水産資源管理をしっかり行えるかどうかが解決のカギを握っていることが示されています。
現状を把握し、消費行動の転換を
このブログを書くにあたり、「魚が食べられなくなる日」(勝川俊雄著)を参照しました。2016年に発行されてから10年経ちますが、残念ながら、現在も状況はほとんど変わっていないように思いました。水産資源にまだ回復力があるうちに、思い切った対策をとらなければなりません。漁獲量の削減や禁漁など、その対策は痛みを伴うものになるはずです。だからこそ、市民の後押しが必要です。
私は今まで、輸入魚よりもできるだけ地場産のものを選んでいましたが、それが必ずしも最善の選択ではないかもしれないと思うようなりました。知ることで、私たちの消費行動は変わります。値段が上がったり、魚が小さくなったりする背景にもっと関心を持ち、知ることが、解決へ向かう第一歩です。