見通しはネガティブ、でも未来は変えられる グローバルリスク報告書2024年版より

2024 / 4 / 3 | カテゴリー: | 執筆者:Yukiko Mizuno

(Photo by Javier Allegue Barros via Unsplash)

今年1月に発表された世界経済フォーラムの『Global Risks Report 2024(グローバルリスク報告書2024年版』の分析によると、今後2年間に起こりうる短期的リスクのトップは「誤報と偽情報」、今後10年間に起こりうる長期的リスクのトップは「異常気象」、次いで「地球システムの危機的変化」となっています。報告書の主な調査結果(Key Findings)を読んで、以下の二つの点が気になりました。

リスクの受け止め方の違い

環境リスク、特に「生物多様性の喪失と生態系の崩壊」と「地球システムの危機的変化」については世代によって受け止め方に違いがあり、若い世代の方がより深刻な短期的リスクとして捉えています。これらのリスクについては、民間企業と、市民社会・政府との間でも意見が分かれており、前者は長期にわたる最大の懸念事項と見ているのに対して、後者はより短期間で見たときに優先事項だと認識しています。こうした不一致があると、最適な連携や意思決定を行うことが難しくなり、問題に対処する重要なタイミングを逸する危険が高まる、と報告書は指摘します。

目の前に迫る多様なリスク

2024年に世界規模で重大な危機をもたらす可能性が高いリスク、つまり目の前に迫るリスクのトップ5を占めたのは、「異常気象」、「AI技術がもたらす悪影響」、「社会の二極化」、「生活費危機」、「サイバー攻撃」でした(エグゼクティブサマリー日本語版 p.3の図)。まずリスクの多様さに驚かされますが、よく考えると、実はどれもが身近な問題であることに気づきます。そして各国が協力し、様々な立場の人が力を合わせて取り組まなければならない問題と、それを阻む深刻な課題が混在していることに不安を覚えます。

さらに報告書では、「世界の短期的な見通しは圧倒的にネガティブであり、長期的にはさらに悪化する」と予想しています。気持ちが沈みそうになりますが、報告書の序文にあるように、これはあくまで予想です。

(報告書の序文より)

The future is not fixed. A multiplicity of different futures is conceivable over the next decade. Although this drives uncertainty in the short term, it also allows room for hope. Alongside global risks and the era-defining changes underway lie unique opportunities to rebuild trust, optimism and resilience in our institutions and societies.

(試訳)「未来は確定していない。この先の10年間は、様々な未来を想像できる。短期的には不確実性があるということだが、希望も残されている。グローバルリスクと、時代を決定づける変化の進行と並行して、またとない機会が存在しているのだ。それは、組織や社会における信頼と楽観主義、レジリエンスを再構築する機会である」

私たちの社会には明るい方向へ未来を変える力がある――そう信じて、前を向き、一歩ずつ進んでいければと思います。

※英文の訳は筆者による試訳です。

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