「調達」はどれを使う?Procurement vs. Sourcing vs. Purchasing

2023 / 10 / 4 | カテゴリー: | 執筆者:Yasuko Sato

「調達」の主な訳語に、Procurement、Sourcing、Purchasingがあります。どれにしようかと迷ったことのある方も多いのではないでしょうか。どれも同じような場面で使われていて、置き換えられることもあります。しかし、厳密にはそれぞれ意味合いが違っていて、調達のプロセスによって使い分けることができます。

Procurementは調達全体を指す

モノやサービスを社外のリソースから入手する調達プロセスの始まりから終わりまで、全体を包括するのがProcurementです。ニーズの特定、サプライヤーの特定・評価・選択、交渉、発注、モノの受入と検査、請求書の処理、支払い、サプライヤーの管理など、調達に関わる全ての活動が含まれます。

Sourcingはサプライヤーの選定

Sourcingは調達活動のうち、モノやサービス、原材料などを入手するためにサプライヤーを特定、評価、選択するプロセスを指します。どこから調達するのかを決めるのがSourcingです。

Purchasingは実際の購買プロセス

Purchasingはサプライヤーの選定(sourcing)の後に続くプロセスで、発注、製品の受入、請求書の処理、支払いなどが含まれます。

GRI 204は「Procurement Practices(調達慣行)」、ISO 20400は「Sustainable procurement – Guidance(持続可能な調達に関するガイダンス)」で、どちらも調達全体を指すProcurementが使われています。

一方、Sustainable procurement、Sustainable sourcing、Sustainable purchasingはさまざまな場面で、「持続可能な調達」という同じような意味で使われています。持続可能な調達先が、持続可能な購買につながるため、どれを使っても違和感がないケースも多そうですが、上述した図をイメージしておけば、迷わずに単語を選択できそうです。

Photo by Yolanda Díaz Tarragó via Pixabay

 

 

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