COP28、より多くの女性リーダーの参加に期待

2023 / 9 / 7 | カテゴリー: | 執筆者:山本 香 Kaori Yamamoto

今年の11月から12月にかけてアラブ首長国連邦・ドバイで開催されるCOP28。パリ協定の目標達成に向けた進捗状況を整理しつつ、今後の動きについて議論が交わされる予定です。気候対策におけるジェンダー平等の必要性が認識される中、多くの女性リーダーの参加が期待されています。

女性の声が意思決定の場に求められる理由

昨年開催されたCOP27では、参加した世界のリーダー110名のうち、女性はわずか7名でした。一方、気候変動の影響で避難を余儀なくされる人の8割が女性だったり、自然災害発生時には男性よりも女性の方が死亡・負傷する確率が高かったりと、より大きな影響を受けているのは女性だとされています。影響を受けやすい当事者として女性が意思決定の場に参加することで、より公平で実情に合った気候対策の議論が交わされるはずです。

こちらの記事にある次の一文は、気候対策で女性が果たす役割を端的に伝えています:

Women and girls are not just victims of disasters and crises, but active agents of change and powerful organisers.
(試訳)女性や女児は、災害や危機の単なる犠牲者ではありません。積極的な変化の担い手であり、力強いまとめ役でもあるのです。

ジェンダー平等により期待されるメリット

UN WOMENのこちらの記事によると、女性の国会議員が増えると、気候政策の強化、ひいては排出削減が進みやすかったり、役員全体に占める女性の割合が高い企業は炭素排出に関する情報開示を積極的に行う傾向があるとされています。
このような現状を見ると、女性にも声をあげる権利があるという以上に、その声にしっかりと耳を傾けてジェンダー平等を軸とした気候対策を考えられれば、結果的にジェンダーに限らず他の脆弱な立場の人々にも目が行き届き、誰にとってもより良い未来につながることが期待できます。

同記事にもその点が指摘されています:

Without gender equality today, a sustainable, more equal future remains beyond our reach.
(試訳)今ジェンダー平等を実現できなければ、この先も持続可能でより公平な未来には手が届かないでしょう。

数ヶ月後に開かれるCOP28では、より多くの女性リーダーが参加して積極的に声を届け、誰にとってもより良い未来につながる議論が交わされることを期待しています。

※試訳は筆者によるものです。

Photo by Shane Rounce via Unsplash

このエントリーをはてなブックマークに追加