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実は身近な「リジェネラティブ農業」
ここ数年で目にすることの増えた「リジェネラティブ農業」。以前、このブログでも取り上げています。まだまだ馴染みの薄い言葉ではありますが、その中身は意外と身近なものです。
「リジェネラティブ農業」の定義
Regenerative Agricultureは日本語で「リジェネラティブ農業」「環境再生型農業」と訳されます。ニュージーランドのBHU Future Farming Centreが2019年に公表したレポート『An Analysis and Overview of Regenerative Agriculture』によれば、定まった定義こそないものの、土壌の健康の改善を目指すさまざまな手法がリジェネラティブ農業の共通認識となっています。具体的には例えば、不耕起、減耕起、多品種栽培、輪作といった手法です。
「リジェネラティブ農業」は既にそこにある
同レポートによれば、リジェネラティブ農業は「有機農業」「アグロフォレストリー(森林農業)」「パーマカルチャー」「不耕起栽培」「自然農法」その他、既にあるさまざまな手法と親和性があります。見方によっては、これら既存の手法の中に、リジェネラティブ農業の全てが詰まっているようにも見えます。
日本では多くの有機農家が多品種栽培や輪作を実践していますし、土を露出させないよう作物の周りに「敷き藁(しきわら)」をするのもよく行われている方法です。長い歴史と経験の中で、持続可能な(リジェネラティブな)方法が伝わっているのだと思います。
日本の「里山」で実践されてきたやり方や、昔からの農作業の方法には、「リジェネラティブ」のエッセンスがたくさん詰まっています。もちろん、それはリジェネラティブ農業のほんの一部にすぎませんが、リジェネラティブ農業に欠かせない技術の一部です。
「リジェネラティブ農業」への期待
上述のレポートでは、リジェネラティブ農業は単なる農法の組み合わせではなく、集約的な工業型農業の枠組みを転換させる、社会運動、価値システム、そして哲学でもあると述べられています。これまでもリジェネラティブな手法は存在していましたが、それらは社会の主流ではありませんでした。リジェネラティブ農業が、これまで主流ではなかった手法や価値観を主流に押し上げ、工業型農業に代わる枠組みの構築につながることを期待しています。
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