Translators in Sustainability
セミコロンをうまく使おう
カンマと違って、少しなじみの薄いセミコロン。使い方が少し難しい印象がありますが、Grammar Book.comというサイトから、わかりやすくて便利な使い方を一つご紹介します。
なぜセミコロンが必要なのか
まず、良くない文の例を見てみます。
誤:The conference has people who have come from Moscow, Idaho, Springfield, California, Alamo, Tennessee, and other places as well.
下線の部分は、「モスクワ、アイダホ、スプリングフィールド、カリフォルニア、アラモ、テネシー」でしょうか? 都市の名前と州名が混じっていてわかりづらいです。アメリカに詳しい人なら、スプリングフィールドはカリフォルニア州にあるので、この二つがセットだとわかりますが、そうでなければ、別々の地名にも見えます。
セミコロンを使うと、これを明確に表すことができます。
正:The conference has people who have come from Moscow, Idaho; Springfield, California; Alamo, Tennessee; and other places as well.
「アイダホ州モスコー、カリフォルニア州スプリングフィールド、テネシー州アラモ」
これなら、一目で区切りがわかります。しかも、アメリカの「モスコー」をロシアの「モスクワ」と勘違いする心配もありません。
このように、何かを列記して、複雑でわかりづらくなる時に、カンマの代わりにセミコロンを使うのはとても有効です。上記のような例では、セミコロンを使わず、「Moscow (Idaho)」と括弧を使うこともできますが、セミコロンの使い方も知っておくと、どこかで役立つかもしれません。
他の例として、Google社のレポートを見てみます。
We’re focused on three areas: enhancing our stewardship of water resources across Google offices and data centers; replenishing our water use and improving watershed health and ecosystems in water-stressed communities; and sharing technology and tools that help everyone predict, prevent, and recover from water stress.
この文では、コロン(:)の後ろに、前述した「注力する3つの領域」の具体例が列記されています。通常、A, B, and Cのようにカンマで区切りますが、ここではカンマの代わりにセミコロン(;)が使われています。
文自体が長く、andが多く、カンマも使われているので、区切りのわかりにくい文ですが、セミコロンを使うことで、迷わずスムーズに読むことができます。
便利なセミコロン、でも多用は禁物
物事を羅列して、これは読みにくいな、と思った時にセミコロンは便利です。とはいえ、Googleのレポートの中でも、セミコロンの使用は1度だけ。多用するものではなさそうです。そもそも1文が長くなり過ぎないよう、簡潔に短い文でまとめるといった工夫も大切です。
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