英国王室の環境保護・気候変動への思い

2022 / 11 / 3 | 執筆者:EcoNetworks Editor

2022年9月にイギリスでは、エリザベス女王の死去に伴い、チャールズ国王が即位されました。チャールズ国王は、これまで50年以上にわたって熱心に環境保護に取り組んできたことが知られています。

昨年イギリスのグラスゴーで国連気候変動枠組条約会議第26回締約国会議(COP26)が開催された際には、議場でスピーチをされています。

The Covid-19 pandemic has shown us just how devastating a global, cross-border threat can be. Climate change and biodiversity loss are no different – in fact, they pose an even greater existential threat, to the extent that we have to put ourselves on what might be called a war-like footing.
(試訳)新型コロナウイルスのパンデミックはまさに、地球規模の国境を越えた脅威がいかに壊滅的になりうるかを示してきました。気候変動と生物多様性の喪失も例外ではなく、それどころか、私たちの存続をおびやかすさらに大きな脅威となっています。私たちは「戦時体制」とも呼べるような状況に身を置かねばならないほどです。

皇太子時代の環境に配慮したライフスタイル

チャールズ皇太子(当時)はスピーチで人々に訴えかけるだけでなく、ご自身でも環境保護活動やサステナブルなライフスタイルを実践し続けてきました。

例えば、背広やコートなどの服を当て布などで補修しながら、長年にわたって着続けていることがメディアで取り上げられています。2018年のヘンリー王子とメーガン妃の結婚式でチャールズ皇太子(当時)が着ていたモーニングコートは1984年にあつらえたもので、「着られるうちはできるだけ長く着続けたい」との考えから、新調せずにこれを着用することにしたそうです。世界中の注目を集める立場にある方がこのような信念を貫くというのは、なかなかできないことです。

また、イングランド中西部のグロスターシャーにある私邸では、コンポストで堆肥をつくり有機農業を行っているほか、葦原での下水処理や、バイオマスによる暖房なども実践されています。

チャールズ国王はなぜ環境問題にこれほど強い関心をもたれたのでしょうか。

エリザベス女王(当時)がCOP26に寄せたビデオメッセージ

その一つのヒントとなることを、エリザベス女王が生前話しておられました。昨年のCOP26に寄せたビデオメッセージの中で、夫の故フィリップ殿下の写真とともに彼の過去のスピーチを紹介した後、こう述べていたのです。

It is a source of great pride to me that the leading role my husband played in encouraging people to protect our fragile planet, lives on through the work of our eldest son Charles and his eldest son William. I could not be more proud of them.
(試訳)夫がこの壊れやすい地球を守るように人々に促すうえでリーダーシップを発揮したことが、私たちの長男のチャールズ、そして彼の長男のウィリアムの仕事を通して生き続けていることは、私の大きな誇りです。彼らを本当に誇りに思います。

チャールズ国王が早くも1970年代から環境保護を訴えてきた背景には、このようなお父上の影響があったのかと合点のいく思いがしました。

今後への期待

今年11月にエジプトのシャルムエルシェイクで開催予定のCOP27には、英政府と相談の結果、チャールズ国王は残念ながら欠席することになったと報じられています。国王になったがために政治的な発言がしづらくなるなどの影響があるようですが、今後、ご自身の信念や経験に基づいた説得力のあるご発言が聞かれることに期待したいです。

(五頭美知/翻訳者)

Photo by Aleks Marinkovic on Unsplash

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