unwavering 表現のバリエーションと一貫する軸

2022 / 9 / 1 | 執筆者:山本 香 Kaori Yamamoto


企業の情報発信をご支援していて時折見かけるunwaveringという表現。
「揺らぐ」、「決めかねる」、「変動する」という意味の動詞waverから派生した形容詞に、否定を表すun-がついて「揺るぎない」、「不変の」という意味を表します。

文脈によるニュアンスの違い

たとえば、サステナビリティの文脈ではour unwavering commitment to sustainability(サステナビリティへの揺るぎないコミットメント)のように使われます。この場合のunwaveringは、commitmentを修飾して決意や覚悟の強さを表しており、「確固たる」という意味のdeterminedに言い換えられそうです。

また世界情勢に関する記事では、democracy as unwavering principle(揺るぎない原則としての民主主義)というフレーズを見かけました。この場合は、「時代を超えて変わらず続く」というニュアンスのenduringが近い表現として思い浮かびます。

最近では、こちら のようなウクライナ情勢に関する記事でunwavering support(揺るぎない支援)という言い回しを頻繁に目にするようになりました。このunwaveringは、力強さや結束をイメージさせることからstrongfirmに言い換え可能です。

違う表現に言い換えてみると、unwaveringという同じ表現でも、文脈によって微妙にニュアンスが異なることが分かります。

一貫する軸を捉える

ここでunwaveringの定義を英英辞典で確認すると、strong and firm and does not weaken(強く、堅固で、弱まることがない)とあります[Collins English Dictionaryより引用 ]。
does not weakenの意味合いから、ある程度の期間持続することを表す表現だと分かりますが、前出の例を振り返ってみると、この点は文脈を問わず一貫していて、基軸となる定義と言えそうです。

同じ表現でも、文脈に応じたニュアンスの微妙な違いを細やかに感じ取りつつ、文脈を問わず一貫する軸を正確に捉えて常に意識しておくこと。情報発信を言語面でご支援する翻訳者として、その両方の認識を持っておくことが非常に大切だと考えています。

※文章中の英文に続く括弧内はすべて執筆者試訳です。

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Photo by Jeremy Bishop via Unsplash

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