Wildfire 気候変動により山火事はさらに深刻に

2020 / 12 / 25 | 執筆者:EcoNetworks Editor

2020年は本当に大変な年でした。新型コロナウイルスに振り回され、学校が休校になった子どもたちと息を潜めるように自宅で過ごしたこと以外は何も記憶がないまま、終わりを迎えようとしています。早く「アフター・コロナ/ポスト・コロナ」へと移りますようにと願いながら、日々のニュースを見守る毎日です。

さて、「ビフォー・コロナ」に何があったかと思い返してみると、実はオーストラリアで去年後半から続いていた過去最悪の山火事についてたくさん報道されていたのが、今年の年明けのことです。2月の大雨でやっと収束し始めるまで、コアラをはじめとする野生生物が焼け出され、救出される映像をご覧になった方も多かったでしょう。

そして夏には、米カリフォルニア州で今年も非常に深刻な山火事が発生していました。ブルームバーグの報道によると、なんと今年の被災面積は、過去3年間の合計をも上回るということです。

どちらの国でも直接的な原因は雷などの自然発火と見られていますが、熱波に見舞われたり降水量が少なかったりという気候変動の影響のせいで、火の勢いが増したようです。

実はオーストラリアでは、2008年に出された気候変動研究で、2020年頃にこのような状況になることが予測されていたと、グリーンピースが紹介しています。これは”The Garnaut Climate Change Review”(ガーナー気候変動レビュー)という報告書なのですが、この研究を率いたRoss Garnaut氏は今年1月にオーストラリアの公共放送局SBSのインタビューを受け、次のように語りました。

It’s one of sadness, that I was ineffective. Having been given the opportunity to talk to Australians on this issue, that I was ineffective in persuading Australians that it was in our national interest to play a positive role in a global effort to mitigate the effects of climate change.
悲しいです。自分の無力さが。この件でオーストラリア人に語りかける機会が与えられたのに、私は無力で、気候変動の影響を緩和する世界的な取り組みにおいて積極的な役割を果たすことが国民の利益にかなうのだと、説得することができませんでした。(試訳)

そして、「ひどい状況になっていますが、温室効果ガスの大気中濃度が高まり続ければ、これからもっと悪化し続けるでしょう」と続けています。

山火事に関してもう一つ気になるのが、ニューヨーク・タイムズ紙で報道された調査結果です。それは、山火事の影響を受けた地域の中でも豊かな白人居住地域の方が、将来の山火事の影響を減らす対策への補助金を多く、連邦政府から受け取れているとわかったのです。人種により、そして経済力により、未来のリスクに関する不平等が生じているという、環境レイシズムがここでも見られます。

(五頭美知/翻訳者)

Photo by Tumisu via Pixabay

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