住みやすい都市へ バルセロナの気候非常事態宣言

2020 / 11 / 27 | 執筆者:EcoNetworks Editor

2020年11月、日本の国会で「気候非常事態宣言」が採択されました。これは脱炭素を目指すことを宣言したシンプルなものですが、バルセロナ市の同宣言(2020年1月)には、より具体的な方策が盛り込まれています。

32ページからなる文書には7つのモデル転換が掲げられており、中でも4つ目に挙げられているChange of economic modelは成長し続ける経済モデルに異を唱える野心的な内容です。

The current economic model is based on continuous growth, with an ever-increasing consumption of natural resources.
現行の経済モデルは、継続的な成長と増加の一途をたどる天然資源の消費を基礎としています。(試訳)

また、地球に限りがあることを明言し、人を重視している点も印象的です。

The climate emergency must spur us on to make changes in order to achieve a development model that respects the Earth’s ecological limits and ensures a decent life for all.
気候非常事態は、地球の生態学的限界を考慮し全ての人に人間らしい生活を保証する発展モデルを実現するため、転換を後押しするものでなければなりません。(試訳)

その他、下記の2つの取り組みは、数で測れない、市民の生活の質を重視する大切な視点に気づかせてくれます。

・Driving a change in the economic model, for a fairer, more sustainable one that reduces inequalities and generates better quality employment.
不平等を減らし、より質の高い雇用を生む、より公平でよりサステナブルな経済モデルへの転換を推進する。(試訳)

・Evaluating the city’s tourism carrying capacity and promoting sustainable tourism.
市の観光旅行受け入れ能力を評価し、持続可能な観光事業を促進する。(試訳)

経済モデル以外には、都市、モビリティ/インフラ、エネルギー、消費/廃棄、食、文化/教育の6つのモデル転換が掲げられています。この宣言は、人口500万超のバルセロナ市全体を、環境と人に優しい都市へと再構築する包括的な取り組みといえそうです。

気候非常事態は、危機であると同時に、私たちがより豊かなライフスタイルに方向転換するチャンスでもあると、バルセロナの宣言は教えてくれているように思います。

(翻訳者、翻訳コーディネーター/ Yasuko Sato)

Photo by Gerd Altmann via Pixabay

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