RBGをしのんで

2020 / 9 / 25 | 執筆者:Yukiko Mizuno

9月18日、米国の最高裁判所判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏(Ruth Bader Ginsberg)が87歳で亡くなりました。弁護士として性差別をなくすために尽力し、後に27年間の長きにわたり最高裁判事の職を務めたギンズバーグ氏は、敬意と親しみを込めて「RBG」という愛称で呼ばれていました(RBGは名前の頭文字)。

1993年、クリントン大統領(当時)から最高裁判事の指名を受けて行われたスピーチを聞くと、ゆっくり、はっきりとした口調から、誠実な人柄が伝わってきます。ギンズバーグ氏の生涯について読むと、多くの米国人がこの人物を慕う理由がわかる気がします。

ギンズバーグ氏は、心に響く言葉を数多く残しています*。その一つを以下に紹介します。

When I’m sometimes asked when will there be enough [women judges on the US Supreme Court bench] and I say, ‘When there are nine,’ people are shocked. But there’d been nine men, and nobody’s ever raised a question about that.
「(米国の最高裁判所の判事[定員9人]のうち)女性が何人になれば十分だと思うか」と聞かれることがあります。私が「9人」と答えると、みなさんびっくりします。でも以前は男性が9人だったのに、それがおかしいなんて、だれも言わなかったのですよ」(仮訳)

機会が等しくあることこそが平等なのであり、性別を問わず能力のある人材が適職に就くことができて初めて平等が実現するのだ、というメッセージが伝わってくる言葉です。

2019年9月のシカゴ大学での講演では、最高裁判所判事の指名と承認において強い党派性が見られる昨今の傾向について、以下のように語っています。

We really should get back to the way it was when people were examining qualifications of what it takes to be a judge, rather than trying to guess how they would vote on contentious cases.
意見が鋭く対立しそうな訴訟においてその候補者がどのような立場をとるかを推測しようとするのではなく、判事に求められる資質を審査するという、以前のあり方に戻るべきなのです。(仮訳)

その死が米国大統領選を目前に控えた時期に重なったこともあり、(おそらくギンズバーグ氏の本意とはうらはらに)後任の人選は政治的な争点になること必至です。今後の動向に注目するとともに、自らの能力を社会のために注ぎ続けた一人の法律家の人生を記憶にとどめ、生き方に学びたいと思います。

 

* ギンズバーグ氏の残した数々の言葉はこちらのサイトで見ることができます。
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-54218139
https://www.newsweek.com/8-ruth-bader-ginsburg-quotes-that-define-supreme-court-justices-legacy-1471585

Photo by hillels is licensed under CC BY-ND 2.0

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