沈黙は共犯と同じ? ”Taking a stand”の大切さ

2020 / 6 / 29 | 執筆者:EcoNetworks Editor

黒人への暴力や差別の撤廃を訴えるBlack Lives Matter(BLM)運動が世界的に広がっています。

BLMの抗議運動は、2013年から何度も繰り返されてきました。しかし5月にジョージ・フロイドさんが亡くなった事件に端を発する今回の運動では、これまで以上に多くの団体や企業がBLMに賛同する意思を示しています。

  • 個人向けフィットネスマシンを販売しコロナ禍で急成長を遂げているスタートアップのPelotonは、黒人コミュニティを支援する手段として、全米黒人地位向上協会(National Association for the Advancement of Colored People、NAACP)に50万ドル(約5,000万円)を寄付すると発表しました。
  • 世界的に大きな影響力を持つ米4大IT企業FANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)も、それぞれSNSなどでBLMへの支持を表明しています。例えばNetflixは、Twitterの公式アカウントで”To be silent is to be complicit”(試訳:何も言わないのは共犯と同じだ)とツイートしました。
  • 社会的責任に関して先進的なことで知られるJohnson & Johnsonは、インドや中東で販売していた美白化粧品の販売中止を決定。「白い肌の方がいい」と強調していると捉えられかねない広告のあり方には以前から批判の声があり、業界で初めてそれに対応した形となりました。
    また同社は、自社の絆創膏ブランド「バンドエイド」から、さまざまな肌の色になじむ商品を発売すると発表しました。実は同社は2005年にも同様の絆創膏を販売したものの、需要不足により販売中止に追い込まれたようです。
  • さらに、シロップとパンケーキミックスの「Aunt Jemima(ジェミマおばさん)」ブランドを販売するペプシコの子会社クエーカーオーツ、米製品ブランド「Uncle Ben’s(ベンおじさん)」を展開するマースなども、黒人の女性や男性のイメージをロゴに用いたこれらの製品が人種差別的な偏見に基づくことを再認識し、ロゴの変更やリブランディングを行うことを発表しました。

このように、例を挙げればきりがないほど多くの企業がBLM運動の広がりを受けた対応や意思表明をしています。

企業がこうした社会的な問題に対する自社の立場を示すこと(taking a stand)には、消費者も好印象を持っているようです。2018年にハーバード・ビジネス・レビューに掲載された調査によると、70%を超える消費者が、race relations(人種に関する事柄)について企業が立場を示すのは適切だと考えています。

企業の発信する言葉や行動は、消費者に対して大きな影響力を持ちます。その言葉や行動にステレオタイプなもの含まれていたら、社会全体の差別の助長につながったり、あるいは消費者からの非難の対象になったりする可能性があります。

私たちがレポートの英訳に取り組む際にも、言葉の重みを意識し、誠実かつ効果的な発信に貢献できるようにご提案したいと思います。

(立山美南海/翻訳者、翻訳コーディネーター)

 

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