より良い教育を目指す機会に

2020 / 5 / 25 | 執筆者:山本 香 Kaori Yamamoto

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日本でも多くの学校で長らく続いた休校。
いよいよ再開の動きが見え始めています。

世界にも目を向けてみると、学校に行けないことの影響は、学ぶ機会を奪われるだけにとどまりません。

ユニセフが5月に発表した報告書は、世界192の国で学校が閉鎖され、16億人近い(世界の学生人口の90%)学生が影響を受けており、特に最貧困層の子どもに壊滅的な影響が出ていると伝えています。

具体的には、「石けんや清潔な水へのアクセスが絶たれることで、感染拡大を防ぐ対策が取れない」、「デジタル技術にアクセスできず、学びの手段がない」、「地域社会が崩壊するにつれて、暴力や搾取、虐待にさらされるリスクが高まり、特に性的虐待の犠牲になる女の子が増える」、といった状況が見られます。

SDGsの目標4は「質の高い教育をみんなに(Quality Education)」と唱っていますが、こうした現状から、残念ながら、まだ貧困やジェンダー等によって子どもたちを取り巻く環境や教育の機会に不平等があることが浮き彫りになっています。

一方で、学校に行けないという状況に直面し、これまでにない柔軟な学びのあり方を主体的に考えたという子どもたちや先生、保護者も多いはずです。

学校再開に向けて動き出した今、今回の経験を通じて明らかになった課題や学びを活かして、以前のシステムにそのまま戻るのではなく、それぞれの現場でより良い教育のあり方を考える必要があるように感じます。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は4月、子どもたちを守ろうと呼びかける声明を出しました。その中のあるフレーズが目指すべき未来を的確に伝えています:
we must commit to building back better by using the recovery from COVID-19 to pursue a more sustainable and inclusive economy and society
(私たちは、COVID-19の危機から以前の水準を超える復興を目指し、より持続可能で包摂的な経済・社会を追求していかなくてはなりません)

build back betterは、比較的新しい表現で、コロナ禍をどう乗り切るかという文脈でここ最近頻繁に耳にするようになりました。

単に元に戻すのではなく、前よりもいい状態に持っていく。

すべての子どもがより良い学びの場に一日でも早く戻れることを心から願っています。

※英文下の括弧内は試訳です。

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