socialのもう一つの意味


socialというと、「社会の」「社会的な」という訳語が反射的に頭に浮かびます。

social orderと言えば「社会秩序」、social statusと言えば「社会的地位」。
言うまでもなく、society(社会)をひとつのまとまりとして捉えて形容詞化した表現です。

一方で、「社会の」「社会的な」と訳すと、いまいちピンとこない場合もあります。

たとえば、social contactsはどうでしょうか。
「社会的接点」? これでは、具体的なイメージが湧きにくそうです。
もう少しやわらかくして「社会とのつながり」なら、多少伝わりやすいかもしれません。

Longman Dictionary of Contemporary Englishには、socialの3番目の定義として、
relating to meeting people, forming relationships with them, and spending time with them(試訳:人と会ったり、人と関係を築いたり、人と一緒に時間を過ごしたりすることに関係する)とあります。

明確な形を持たない集合体である「社会」を想定する必要は必ずしもなく、自分のまわりにいる人たちとの関係を思い浮かべてsocialと表すこともできそうです。
前出のsocial contactsであれば、文脈によっては、ご近所づきあいやSNSでのやりとりも想定できるわけで、「人付き合い」「人との交流」というような訳がはまるケースもあるでしょう。

世界中がパンデミックという共通の問題に直面している今、よく見かけるようになった言葉のひとつにsocial solidarity(たいてい「社会的連帯」と訳されます)があります。

solidarityとは、「連帯」という訳からも分かるように、個人個人が影響を及ぼし合う関係にあることを認識して、共通の目的のために互いに責任を持つこと。

現状を見ると、あまりの影響の大きさにふと無力感に苛まれてしまいがちです。
でも、socialの意味を大きく捉えすぎず、まず目の前にいる相手に対して責任を持つ。
そういう姿勢が、いま私たち一人一人に求められているのだと思います。

それが、ひいては社会のためにもなる。
社会の一員として、自分がすべきことを考え続けていこうと思います。

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