socialのもう一つの意味

2020 / 4 / 25 | 執筆者:山本 香 Kaori Yamamoto


socialというと、「社会の」「社会的な」という訳語が反射的に頭に浮かびます。

social orderと言えば「社会秩序」、social statusと言えば「社会的地位」。
言うまでもなく、society(社会)をひとつのまとまりとして捉えて形容詞化した表現です。

一方で、「社会の」「社会的な」と訳すと、いまいちピンとこない場合もあります。

たとえば、social contactsはどうでしょうか。
「社会的接点」? これでは、具体的なイメージが湧きにくそうです。
もう少しやわらかくして「社会とのつながり」なら、多少伝わりやすいかもしれません。

Longman Dictionary of Contemporary Englishには、socialの3番目の定義として、
relating to meeting people, forming relationships with them, and spending time with them(試訳:人と会ったり、人と関係を築いたり、人と一緒に時間を過ごしたりすることに関係する)とあります。

明確な形を持たない集合体である「社会」を想定する必要は必ずしもなく、自分のまわりにいる人たちとの関係を思い浮かべてsocialと表すこともできそうです。
前出のsocial contactsであれば、文脈によっては、ご近所づきあいやSNSでのやりとりも想定できるわけで、「人付き合い」「人との交流」というような訳がはまるケースもあるでしょう。

世界中がパンデミックという共通の問題に直面している今、よく見かけるようになった言葉のひとつにsocial solidarity(たいてい「社会的連帯」と訳されます)があります。

solidarityとは、「連帯」という訳からも分かるように、個人個人が影響を及ぼし合う関係にあることを認識して、共通の目的のために互いに責任を持つこと。

現状を見ると、あまりの影響の大きさにふと無力感に苛まれてしまいがちです。
でも、socialの意味を大きく捉えすぎず、まず目の前にいる相手に対して責任を持つ。
そういう姿勢が、いま私たち一人一人に求められているのだと思います。

それが、ひいては社会のためにもなる。
社会の一員として、自分がすべきことを考え続けていこうと思います。

このエントリーをはてなブックマークに追加

翻訳トレーニング講座 受講者募集中!

環境やサステナビリティの分野を専門とする翻訳を志す方の成長をサポートする翻訳講座「サステナビリティ翻訳トレーニング」。実際にご依頼いただくことの多い報告書や資料に類似する内容を課題とし、受講者の方のレベルアップにプロ翻訳者でもある講師が伴走します。

※ 2019-20年講座は、受講のお申し込み受付を終了しました(2019/12/1)。

言葉にまつわるエトセトラを募集中!

この単語の訳にいつも頭を悩ませる……よりよい英語表現が知りたい……
このブログで取り上げてほしいワードがあればこちらよりご連絡ください。

お名前
メールアドレス
取り上げてほしいワードなど

* 内容についてお問い合わせをする場合があります
* すべてへのお答えをお約束するものではありません
* CSR、サステナビリティ分野の内容を優先します

プライバシーポリシーに同意する