新型コロナウイルスと、気候変動

2020 / 4 / 26 | 執筆者:EcoNetworks Editor

新型コロナウイルスの感染が広がっています。どうか一日も早く、苦しむ人が一人でも少ないうちに事態が収束しますようにと、祈るような気持ちで毎日ニュースを見ています。

人的な被害に加え、経済的な損失も危惧されています。国際通貨基金(IMF)が2020年4月に出した「世界経済見通し(World Economic Outlook)」では、2020年の世界経済の成長率がマイナス3.0%と予測されています。そして、以下のように説明されています。

「大封鎖」は世界金融危機をはるかに上回る、大恐慌以来最悪の景気後退となる。

This makes the Great Lockdown the worst recession since the Great Depression, and far worse than the Global Financial Crisis.

日本語:https://www.imf.org/ja/News/Articles/2020/04/14/blog-weo-the-great-lockdown-worst-economic-downturn-since-the-great-depression
英語:https://blogs.imf.org/2020/04/14/the-great-lockdown-worst-economic-downturn-since-the-great-depression/

しかしこの状況には、一つ明るい側面もあります。二酸化炭素(CO2)排出量が減っているのです。

Carbon Briefというイギリスの気候に関するニュースサイトで発表されたニュースによると、中国の春節(旧正月)から2週間のCO2排出量(石炭・原油由来)は、前年同時期に比べ25%も減少したそうです。

さらに、その後世界各地に都市封鎖が広がったことにより、2020年の世界のCO2排出量は、不確実な要素が多いとしながらも、2,000 Mt-CO2減少するだろうと予測されており、これは2019年比で5.5%減に相当するそうです。

ただし、これだけ減少しても、温暖化を1.5℃までに抑えるという目標にはまだ及んでいません。この目標を2030年までに達成するにはこれから10年間、毎年約2,800 Mt-CO2ずつ、年率約7.6%で減少させていかなければならないからです。とはいえ、これまでだったら遠く及ばなかった目標に向けた、大きな一歩といえるでしょう。

新型コロナウイルスの拡大により、世界は変化を強いられています。「これまでどおりのやり方」を続けることはできず、大きな痛みも伴っています。しかし、この経験が、決して苦しみを生むばかりでなく、何かを好転させるきっかけにもなりますようにと願って已みません。

(五頭美知/翻訳者)

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