かけがえのない森を守るために

2020 / 1 / 27 | 執筆者:山本 香 Kaori Yamamoto

昨年から続くオーストラリアの森林火災。
日本の国土の半分近い面積が焼失したとも言われています。

人間だけでなく、コアラやカンガルーといったさまざまな動植物が命と生きる場所を奪われ、有害な煙が風に乗って各地を覆うなど直接的な損害に留まらず、森に蓄積された炭素が大量に放出されることで、今後気候変動にさらなる拍車をかける可能性も指摘されています。

地球上のありとあらゆる生き物が森林からさまざまな恩恵を受けている現実を、そして、そうした恩恵が一瞬にして失われかねない怖さを改めて考えさせられます。

かけがえのない森林を守っていくためには、適切な管理が欠かせないと言われます。

国際的な森林認証プログラムPEFCは、サステナビリティの3つの柱に沿った「持続可能な森林管理(sustainable forest management)」を提唱しています。

Sustainable forest management creates outcomes that are socially just, ecologically sound and economically viable – the three pillars of sustainability.
(持続可能な森林管理とは、サステナビリティの3つの柱「社会的に公正であること」、「生態学的に健全であること」、「経済的に実行可能であること」を満たす結果につながるものである)

またPEFCでは、すべての認証制度で共通して取り入れるべき具体的な項目を定めています。

今回の森林火災では、生態系への壊滅的な被害が特に目立つことから、2本目の柱「生態学的に健全であること」に関係する項目に注目すると、

●Maintenance, conservation and enhancement of ecosystem biodiversity
(生態系の多様性の維持、保全、強化)

●Prohibition of forest conversions
(森林の転用禁止)

●Prohibition of genetically modified trees and most hazardous chemicals
(遺伝子組み換えによる木や危険な有害化学薬品の禁止)

・・・

これらは、これまでの反省にたって、人間本位の短絡的な考え方で森林に手を加えてはいけない、という戒めにも聞こえます。

最後に、PEFCで森林管理を担うアントニオ・ブルノリ氏がこちらの動画で語っている印象的な言葉をご紹介します:

It is a community of interest for woodpeckers, insects, mushrooms, animals and men.

(森は、利益を共有するひとつのコミュニティです。キツツキにとって、虫にとって、キノコにとって、動物にとって、そして私たち人間にとって)

”森林管理”とは言いますが、その管理者としてではなく、あくまでコミュニティの一員として、人間が森林の未来のために果たすべき役割をもう一度考える必要があるのではないでしょうか。

※英文の下の訳文はすべて試訳です。

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