自分らしく働くために He/She/They/Ze

2019 / 12 / 3 | 執筆者:二口 芳彗子 Kazuko Futakuchi

米国の金融機関ゴールドマンサックスが、インクルーシブな職場づくりを目指して、代名詞の使い方についての告知を行いました。その人自身が選んだ代名詞をまわりが使うことの重要性を述べ、従業員がどのように使っていけばよいかを具体的に伝えています。

耳慣れない中性的な代名詞「Ze/ Zir/ Zirs/ Zirself」を紹介すると同時に、迷った時の選択肢としてその人の名前を使うことも提案していて、実用的です。

とても良いなと思ったのが「インクルーシブなアライになるためのヒント」です。例えば、

・Made a mistake? Don’t make a big deal out of it or draw extra attention to it; instead, make a swift apology and use the correct pronoun(s) moving forward.
(失敗したことがあるって? 深刻にならないように、そして周りもそのことを騒ぎ立てないように。その代わりにさっと謝って、次から正しい代名詞を使っていこう)
・Proactively share your pronouns to foster an environment of respect and awareness (ex: “Hi, I’m Karen! My pronouns are she/ hers. Welcome to the team!”).
(積極的に自分が選ぶ代名詞を周りに伝えて、お互いを尊重し配慮ある職場を作っていこう。例:”私はカレンです。私の代名詞はShe/ hers。チームへようこそ!”)

といったように、分かりやすく、参加しやすい方法も示しています。

今年の9月にメリアム・ウェブスターがその辞書の「they」に次のような新しい定義を追加しています。

3.d “single person whose gender identity is non-binary”
<性自認がノンバイナリー(男性・女性のどちらでもない)1人の人>

辞書に載ったことは、社会一般の言葉として認められた証と言っていいでしょう。それをタイミングよくとらえた今回の取り組みは、今年前半にパネルディスカッションを開催して、トランスジェンダーのより良い協力者となるためにはどうすればよいかや、ジェンダーにとらわれない社会について議論する企業文化があるからこそです。

翻訳をしていると、例えば1カ所主語が変わっただけで、少なくともその段落の代名詞を再確認する必要があります。悩まされることも多いですが、こうして時代の変化とともに変わっていく言葉を見つめていけるのは、この仕事ならではの楽しみです。

*引用部分の日本語は当社の試訳です。

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