似て非なるもの フードロスとfood loss、食品廃棄物とfood waste

2019 / 11 / 27 | 執筆者:EcoNetworks

日本語の「フードロス」と「食品廃棄(物)」、英語の「food loss」と「food waste」。「分かっているつもり」の言葉ですが、4つの言葉の意味を改めて整理してみました。

「食品廃棄物」は、食品の製造・加工・流通・消費などの際、廃棄される食品の総称です。製造や加工の際に発生する廃棄物や、流通で発生する売れ残り、消費で発生する調理屑くずや食べ残しなどが含まれます(参考:大辞林 第三版)。

「フードロス」(「食品ロス」とも言う)は、食べられる状態であるにもかかわらず廃棄される食品を指します(デジタル大辞泉)。

「食品廃棄物」には野菜の皮や貝の殻など、元々食べられない部分(非可食部)と、本来食べられるはずの部分(可食部)の両方が含まれています。食品廃棄物のうち、後者(可食部)を捨てることをフードロスといいます。

英語のレポートでは多くの場合、「フードロス」はfood loss and wasteと訳されます。lossとwasteには以下のような違いがあります。
Food lossは、サプライヤーチェーンの中で生じる食品の廃棄を指しますが、小売店や飲食店、消費者による廃棄は含まれません。
Food wasteは小売店や飲食店、消費者による食品の廃棄を指します。

身近な食材の廃棄物のカテゴリーを考えてみます。
曲がった大根:食品廃棄物、フードロス、food loss
ツナ缶を作る際に出た魚の骨:食品廃棄物、food loss
スーパーで売れ残ったお惣菜:食品廃棄物、フードロス、food waste

また、food wasteは生産から消費の間で生じる、廃棄される食品全体を指す場合もあります(つまり日本語の「食品廃棄物」)。それに対し、food lossは常にサプライチェーンの上流(生産、加工、流通)での食品廃棄に対してのみしか使用されません。

私たちが日常生活で目にするカタカナの「フードロス」は、小売店や飲食店、家庭での食品廃棄を指していることが多く、その場合は、food wasteに当たります。カタカナ言葉を訳すときは、丁寧な確認が必要です。

(翻訳者、翻訳コーディネーター/ Yasuko Sato)

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