就学前教育(Pre-primary education)の現状

2019 / 10 / 28 | 執筆者:山本 香 Kaori Yamamoto

 

A World Ready To Learn by UNICEF

Education is what remains after one has forgotten what one has learned in school.
教育とは、学校で学んだことを一切忘れてしまった後に、なお残っているもの。(訳はこちらから引用)

これは、アインシュタインの言葉です。
学校で得た学びは、その後の人生に大きく影響します。だからこそ教育の機会は、すべての人に平等に与えられなければいけません。

SDGsでも目標4で「質の高い教育をみんなに」と掲げていますが、今回は、その中のターゲット4.2でも触れられている早期幼児教育について考えたいと思います。

今年4月にUNICEFが早期幼児教育の現状をまとめた報告書『A World Ready To Learn: Prioritizing quality early childhood education』を発表しました。

脳の発達がほぼ完了するとされている3~6歳の時期に教育を受けると、留年や退学をせず、初等・中等教育を修了できる可能性が高くなることが分かっています。
それにもかかわらず、報告書によると、今も世界全体で約半数の子どもが就学前教育を受けられずにいます。

主な理由として挙げられているのがeconomic status(経済状況)、mother’s education(母親の教育レベル)、residence(住む場所)の三つ。

裕福な家庭の子どもの場合、貧しい家庭の子どもと比べて7倍、中等教育以上を受けた母親の子どもの場合、そうでない母親を持つ子どもと比べて5倍、就学前教育を受ける割合が高くなります。都市に住む場合と農村部に住む場合を比べても、2.5倍の開きがあります。

生まれながらにして不平等な状況に置かれる子どもたちがいる一方、この現状を解決する糸口も就学前教育にあると報告書は指摘します。

Pre-primary education offers an exceptionally powerful opportunity to break intergenerational cycles of inequity.
就学前教育は、世代を超えて継承される不平等のサイクルを断ち切るための絶好の機会となる。(試訳)

具体的な取り組みも紹介されています。
たとえばネパールでは、行政主導のもと、1年間の就学前教育の無償化・義務化を法律で定め、就学前教育を受ける子どもの割合が2000年の12%から2017年には86%までアップしました。

世界的に見ると、早期幼児教育への国の投資はまだ限定的ですが、将来を見据えてどう予算を使うべきか、ひとつのヒントをネパールの事例は示しています。

冒頭のアインシュタインの言葉には続きがあります。

The aim must be the training of independently acting and thinking individuals who see in the service of the community their highest life problem.
教育の目的は、「社会が直面する最重要課題の解決」に力を尽くすために、自ら考え行動できる人間を育てることでなければならない。(訳はこちらから引用)

教育にしっかりとお金をかけることは、よりよい未来をつくっていくために、今踏み出すべき大切な一歩と言えそうです。

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