どう表記する? 会社名の英語表記

2019 / 7 / 25 | カテゴリー: | 執筆者:Yasuko Sato

会社名はレポートの中で必ずしも正式名称をそのまま使用しなければならない、というものではありません。

例えば、マークス&スペンサーのレポートでは、Marks & Spencerという表記が数回登場する以外、同社のロゴでもあるM&Sと表記されています。CitibankはCiti。また、Twitterは社名と提供するサービスの名称が同一ですが、文脈で判断できるからなのか、特に使い分けはしておらず、社名もサービス名もTwitterと表記しています。

IKEAはすべて大文字で表記しており、このような表記をall capsといいます。目立つという利点はあるものの、大文字は小文字より読むのに時間がかかり、文書内で多用されると読みづらいというデメリットが発生します。IKEAは4文字なので、読みづらさはありませんが、社名があまりに長い場合は読み飛ばされかねません。(みなさんも大文字だらけの文章を読み飛ばしたこと、ないでしょうか?)

また、all capsは shouting と言って、押しつけがましい印象を与えるという側面もあります。レポートの内容そのものよりも、社名が強調されてしまう印象も否めません。

その押しつけがましさを日本語で表現するとこんな感じです。
(ENWのウェブサイトより)
「国内外の環境・社会・サステナビリティにまつわる動きや新しい働き方に関する情報を、エコネットワークスならではの視点でご紹介します。」

自社のウェブサイトでこんな風に社名を強調することに意味があるでしょうか?(*注:実際のウェブサイトでは、強調していません。)これが一度でなく、何度も出てきたらどんな印象を受けるでしょうか。

海外では、社名を登記する際に、大文字でしか登記できない場合があります。ただ、登記が大文字でも、社内外でどのようなキャピタリゼ―ションを使用するかは自由です。たとえ登記がECONETWORKS CO.だったとしても、業務では、EcoNetworksという表記を使用することができます。

大切な社名の表記。読者の読みやすさへの配慮も常に心に留めておきたいと思っています。

(翻訳者、翻訳コーディネーター/ Yasuko Sato)

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