妥協しない姿勢を伝える表現 ~ユニリーバの人権への取り組み~

2019 / 5 / 23 | カテゴリー: | 執筆者:山本 香 Kaori Yamamoto

世界に先駆けて2015年に人権報告書を発行したユニリーバ。その後も2017年に第二版を発行するなど、積極的に取り組みを続けています。

これはユニリーバが特定した8つのsalient human rights issues(顕著な人権課題)。同社のHPには、課題ごとに目標に向けた進捗状況がまとめられています。

全体的には事実を簡潔に伝えているという印象ですが、方向性が語られている部分では、妥協を許さない強い覚悟を感じさせる表現が目を引きます。

中でも印象的なのがzero
たとえば、差別に関して次のように書かれています。

Zero tolerance of any form of discrimination … is embedded in the policies…
(試訳:いかなる差別も一切認めない姿勢を各方針で徹底させています。)

また、安全に関する次の英文はonlyと併せることでより力強い表現になっています。

The only acceptable aim is zero accidents.
(試訳:唯一受け入れられる目標は事故ゼロです。)

zero以外にも、バリエーションとして同じ引き出しに入れておきたいこんな表現もありました。

Human rights abuses are unacceptable.
(試訳:人権侵害は一切許されません。)

The right to a safe and healthy work environment is non-negotiable.
(試訳:安全で健康的な労働環境の権利には交渉の余地はありません。)

当然文脈に応じた使い分けは必要ですが、これらの表現を緩く関連づけて整理しておくことで、いざというときにより柔軟なご提案ができるようになるはずです。

これからも、日々目にする文章からキラリと光る表現を盗んでコツコツと蓄積していきたいと思います。

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