プレイン・イングリッシュ ~もう一歩先の情報発信を目指して~

2019 / 3 / 25 | 執筆者:山本 香 Kaori Yamamoto

Photo: “Keep It Simple” by Jimee, Jackie, Tom & Asha is licensed under CC BY 2.0

先日のブログで「『プレイン・イングリッシュ ハンドブック』に学ぶ分かりやすい英文の書き方」についてご紹介しました。

プレイン・イングリッシュとは、複雑な文章をプレインな(平明な)英文にすることで伝えたい情報をより的確に伝えること。

多様な取り組みをしている企業の情報発信をご支援するにあたり、
原文を表面的になぞるだけではなく、より効果的に伝えようとするときこの原則を活かすことができます。

先のブログで紹介されている資料でも、多くの例をあげてその効果を分かりやすくまとめていますが、今回は、一見明快でシンプルな英文でも、プレイン・イングリッシュの根底にある”何を伝えたいか”という視点を意識することで、さらに的確な文章にできる事例をご紹介します。

・人称代名詞を使う

まず次の日本語、どんな訳文が考えられるでしょうか?

(原文)グローバルな視点を持って、企業全体の問題として人権の課題に取り組んでいくことが大切です。

(訳例1)It is important to take a broader, global perspective to address human rights issues on a company-wide basis.

(訳例2)We should take a broader, global perspective to address human rights issues on a company-wide basis.

ぱっと浮かびやすいのは(訳例1)のIt is important to・・・という構文かもしれません。

(訳例2)では、プレイン・イングリッシュの原則「人称代名詞を使う」を適用しました。
この原則の利点の一つは、「読者が自分に関係することが書かれている箇所を特定しやすくなる」こと。

上記例文で「課題に取り組む」のは誰かと考えたとき、Weという一人称を主語にすることで、読み手に自分事として受け取ってもらえるという効果が期待できます。

・意味のある動詞を能動態で使う

(原文)プラスチックは自然の中で分解されません。

(訳例1)Plastic is not broken down naturally.

(訳例2)Plastic does not biodegrade.

「分解されません」の部分をそのまま訳そうとすると受動態を使いたくなりますが、
(訳例2)のように、biodegradeという「意味のある動詞(strong verb)」を使って能動態にすることで、S+Vという非常にシンプルで読みやすい英文になります。
また、break downのように複数の意味を持つ動詞句を避けることで読み間違いのリスクも抑えられます。

今回ご紹介した訳例は1、2ともにすべて、ごくごく頻繁に見かける平易な構文で、英文法上も問題なく成立しています。

でもそれだけで良しとせず、”何を伝えたいか”という問いを常に念頭に置いて繰り返し見直してみると、より効果的なコミュニケーションにできる余地が見つかるかもしれません。

その点でも、プレイン・イングリッシュは大いに頼れる指針といえそうです。

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