「めずらしい」が「当たり前」になるとき

2019 / 1 / 9 | 執筆者:Yukiko Mizuno

Photo by  Neela, Ste & children Lamb is licensed under CC BY 2.0

世界経済フォーラム(World Economic Forum)の『グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書』2018年版が、昨年12月に公開されました。

この報告書では毎年、男女平等に向けた世界各国の進捗度を、経済的参加と機会、教育水準、健康と生存、政治参加の4分野について分析して指数化しています。今年、日本は対象149ヵ国中で110位。昨年(114位)よりわずかに順位を上げましたが、主要7カ国(G7)では、ほかの国に大きく引き離され最下位のままです。

日本の指数を見ると、教育水準と、健康と生存の2分野の数値は高いのですが、経済的参加と機会、政治参加の2分野では前年より順位が下がり、それぞれ149ヵ国中で117位、125位となっています。

報告書を読んでいて、以前にBBCで見たニュージーランドのジャシンダ・アーデーン首相のインタビューを思い出しました。ニュージーランドは全体指数で世界7位、政治参加の指数で世界9位の国です。

BBCのインタビューは、アーデーン首相が出産を控えた昨年5月に行われたものです。特に印象に残ったのは、「赤ちゃんのことをいろいろと質問されるのは、私的で立ち入った話でわずらわしいと思うか」と聞かれた首相の答えでした。

“When you’re only the second person in the world to have a baby in office, of course it’s going to be of interest. I do not mind that at all. What I hope is that someday in the future it won’t be interesting anymore.”
(仮訳)首相在職中に出産するのが世界で二人目なのですから、興味の対象になるのは当然です。まったく気になりません。私が願うのは、いつの日か、これがもう関心を引くような話ではなくなることです。

首相在職中の出産が当たり前の世の中――そこでは、多くの男女格差が解消されているのではないかと想像します。格差がなくなるというのは、このように今は「めずらしい」ことが「当たり前」になっていくこと。一世代、二世代前と比べれば、もちろん前に進んではいますが、今の日本には、まだそうした「めずらしい」ことがたくさんあります。

私たちの身の回りで、少しずつ、新しい「当たり前」が増えていきますように。そして、そうした変化に気付く敏感さを持っていたいと思います。

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