WorkerとEmployee 働き方の多様化、GRIスタンダードへの対応


GRI Standards Glossary 2018

企業のCSR・サステナビリティレポート制作で準拠する基準で、G4からGRIスタンダードへの移行が進んでいます。

GRIスタンダードへの切り替わりに際し「働く人」関連の用語について、
ILOの基準やOECD多国籍企業行動指針、ISO26000といった国際基準との整合性を図る
目的で、‘Employee’/‘worker’用語プロジェクトが実施されました。

G4では、労働者(worker)、従業員(employee)の他にも
staff(スタッフ、職員)
personnel(人員、人材)
individuals employed(雇われた個人)など、
働く人関連の用語は476回もあり、例えば young worker などのあいまいな用語も使われていました。

それぞれの用語の定義を明確にした上で整理された結果は、以下の通りです。

Worker=労働者。仕事に従事する者。
「働く人」全般を指す広範な用語となります。

その中に含まれるのは、
Employee=従業員。国内法またはその適用により組織と雇用関係にある個人。
具体的には、無期限または終身の雇用契約を結んだ常勤または非常勤(full-time or part-time)の従業員です。

従業員以外の労働者には、
実習生(intern)
見習い生(apprentice)
自営業者(self-employed person)
報告組織以外の組織(例:サプライヤー)の仕事に従事する者などです。

企業レポートで「個人事業主」とすることが多い自営請負人(independent contractor)は、サプライヤーに分類されます。

個人的に驚いたのは、自宅労働者(home worker)がサプライヤーに分類されていたことでした。その場合、在宅勤務を選択した非常勤従業員はどうなる?と考えてしまいました。

GRIスタンダードは、すべての労働者なのか、それともそのうちのどの小グループを対象としているかを明記する、としています。
ますます多様な働き方が広がる中で、各スタンダードが求めるスコープに沿って、開示する情報を整備する必要があり、レポートの英訳で例えば、冒頭でその企業での定義を明示することも効果的です。

※2018年9月18日に記事の一部を変更しました。(Employee/worker用語プロジェクトのレビューがインターネットで閲覧できなくなったことによる変更)

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