civil society とは

2016 / 6 / 5 | カテゴリー: | 執筆者:二口 芳彗子 Kazuko Futakuchi

civil societyUnited Nations: Civil Society

先日、クライアント企業さまがマテリアリティの見直しを行い、
その英文を作る際に、ご相談いただきました。
これまでステークホルダーの定義でNGOやNPOを使用されていたのですが、
それを civil society とするようご提案し、採用されました。

ご提案した理由は、2015年9月に国連で採択された
SDGのための2030アジェンダで、NGOやNPOは使用されておらず、
これらの団体を意味する用語として、civil society が採用されていたからです。

国際議論の現場で多く使用されている用語を選ぶのは、ごく自然であるだけでなく、
現在はネット検索全盛の時代、キーワード検索でより多くのヒットを得ることができ、
「見つけられやすくする」効果もあります。

改めて定義を確認したところ、国連のcivil societyのページの初めに、
civil society は、政府や企業と共に社会を構成する「第3のセクター」である
と記載されています。

また国際通貨基金(IMF)は、civil society organization(CSO)という用語を、
さまざまな市民による組織に対して用いるとし、企業団体や、信念に基づく組織、
労働組合、地域社会グループ、NGO、慈善財団、シンクタンクが含まれ、
政府機関や企業、政治団体やメディアは通常含まないとしています。

世界保健機関(WHO)は、civil societyは
国家や市場のいずれとも異なる社会的な領域とみなされ、
非国家組織、非営利組織、ボランティア組織を表す用語として、
ますます認識されるようになっていると説明しています。

2030アジェンダの仮訳(外務省)では、
civil society =「市民社会」となっています。
2030アジェンダを日本語で読み解く際は、
文字通りに「市民による社会」と理解するのではなく、
上記のような国際議論での定義を踏まえて、
政治や企業とは異なる市民の組織と考えながら読むと
内容をより理解できるように思います。

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