Translators in Sustainability 伝わるコミュニケーションへの道
Leapfrog the grid 電力網を跳び越える?
Photo by popofatticus
今回取り上げるのはleapfrog。
「馬跳び」という意味もある言葉です。
辞書には以下のように説明されています(抜粋)。
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leapfrog
(noun)
a children’s game in which a number of children bend down and another child jumps over them one at a time
(verb)
to improve your position by going past other people quickly or by missing out some stages
(Cambridge Dictionaries Online)
leapfrog
[名詞]
1 馬跳び,かえる跳び
2 一気に飛び越えること;一足飛びの躍進[昇進]
[他動詞]
1 〈人・物を〉馬跳びで[のように]飛び越す;〈人・事が〉〈相手を〉追い抜く
2 …を(馬跳びのように急激に)動かす;(一気に)上昇[飛躍]させる
[自動詞]
1 馬跳びをする;次々と追い越して前進する;(馬跳びのように)前進する,次々に移動する
(ランダムハウス英和大辞典)
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Leapfrogは国際開発の分野でもよく目にする言葉で、以下のような文脈で用いられます。
Developing countries can leapfrog old technologies and the pollution it brings.
先進国ではある時期に工業化が急速に進み、
それに伴って水や大気の汚染もひどくなるという苦い経験のうえに
環境対策が強化されてきました。
そうして長い年月をかけて失敗から学びながら
開発・導入してきた環境配慮型設備や制度を
開発途上国は「一足跳びに」導入できるというわけです。
先日読んだ資料には、途上国の電化に関して
“leapfrog the grid”という表現がでてきました。
先進国では、主に大規模発電所を建設し電力網を張り巡らせるという方法で
人々に電力を供給してきました。
これに対して、まだそうしたインフラが行き届いていない国々では
「電力網の段階を跳ばして進む」ことができる――
途上国で、固定電話の普及という段階を跳ばして
電線のいらない携帯電話が急速に普及しているように、
電力網整備という段階を経ずに、ミニグリッドやオフグリッドで
電力を供給するというアプローチです。
過去の失敗や他国の経験から生かせることがあれば、生かさない手はありません。
国や自治体といったマクロなレベルだけでなく、一個人としても
leapfrogできることがあれば跳び越えて、
限られた時間と労力を必要なところに注げるようにしたいと思います。