循環させる = close the loop

2015 / 6 / 15 | カテゴリー: | 執筆者:Yukiko Mizuno

loop

私たちが日々使うさまざまな「もの」の多くは、
材料となる資源が加工されて製品となったものです。
誰かにとって価値があるかぎり製品として使われ続けますが、
不要になるとゴミとして捨てられます。
資源→製品→ゴミという一方通行の流れです。

使用済みの製品をゴミにせず、使える形に変えてまた利用すれば、
この流れは一方通行ではなく「円」になり、物質が「循環」します。
製品全体でなくても、その一部でも循環させることができれば、
新たな資源の利用量も生じるゴミの量も抑えることができます。

私たちの身近なところでは、容器包装のリサイクルがこうした循環の例です。
企業活動の中でも、資源を循環させる取り組みが行われています。
例えば、工業廃水を循環させて再利用するしくみや、
以前にエコネットワークスのサイトでご紹介したコーヒー豆かすのリサイクルなどです。

こうした場合の「循環させる」。
英語ではclose the loopという表現がしっくりきます。
ループを閉じる。
日本語の「資源の循環」という表現には回転するという意味だけでなく、
そのシステム内に留める(外界に出さない、出る量を抑える)
という意味が含まれます。
Circulate, rotate, go in cyclesなどでは少し伝わりにくいこうした側面を
close the loopという表現でうまく表すことができます。

さまざまな人が関わる循環のしくみをループ(輪)に例えることもできます。
容器包装のリサイクルでいえば、
使用済みで不要となったものを分別して出す市民。
収集する自治体。原料の姿に加工・処理する工場。
原料を買って新たな製品を作る会社。
そしてその製品を買う消費者などが、ループを形作っています。

誰が欠けてもループは閉じなくなり、しくみは動かなくなります。
いろいろな立場の人が皆、積極的にかかわることのできるしくみを作ることが、
機能し続ける「ループ」を実現するうえでのポイントかもしれません。

もちろん忘れてはいけないのは、まずはゴミを減らすのが大事だということ。
その上で、一方通行を円に変えるループが、
今以上に多くの資源に関して世界中の多くの場所で増えていくといいと思います。

Photo by Vincent Huang

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