縦割主義―組織論の「タテ」

2015 / 4 / 9 | カテゴリー: | 執筆者:二口 芳彗子 Kazuko Futakuchi


Photo by Doc Searls

日本語を英語に翻訳することを「縦のものを横にする」とよく言いますが、今回は「タテ」をうまく表す「ヨコ」の表現を見つけました。

「縦割主義」は、分断された組織について使われ、直訳 vertical (垂直な)を用いて、例えば vertically-divided organization (縦割りの組織)と表現することもできます。

しかし、もっとインパクトのある簡潔な表現はないだろうか。
日頃からそう思っていたところ、先月の翻訳で、海外の文化を反映した表現を知りました。

それは silo mentality(サイロ思考)です。

サイロとは、小麦やトウモロコシなどの穀物、家畜の飼料を貯蔵する建物。(上の写真がそうです。)細く背の高いその中に、乾燥トウモロコシなどがいっぱい詰まっていて、窓もありません。大規模農業を営む欧米で見かけ、日本ではあまりなじみのないサイロですが、テレビのドキュメンタリーや映画で時々見かけます。

Oxford Learner’s Dictionary にも、4番目に
a system, process, department, etc. that operates separately or is thought of as separate from others
とあり、比喩的に用いられることがわかります。

組織の中で他の部門と情報を共有しない。
組織全体よりも、自分の部門の業務、利益や課題に対してのみ取り組む。
そのような閉塞感を、ズバリ言い表していませんか?

次回は、「ヨコ」の表現についてお知らせします。

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