Disaster Risk Reduction (DRR) = 防災

2015 / 3 / 10 | カテゴリー: | 執筆者:二口 芳彗子 Kazuko Futakuchi


Photo by Sharon Mollerus

今週末の3月14日から18日まで、第3回国連防災世界会議が仙台で開催されます。
UN World Conference on Disaster Risk Reduction 2015 Sendai Japan

この会議の英語名称の Disaster Risk Reduction (DRR) は日本語名称では「防災」と訳されています。直訳すれば「災害リスクの軽減」で、国連開発計画の資料では、その訳を採用しています。

一方、日本語の「防災」を英語に直訳すれば、disaster prevention。なぜ 国連は DRR と言う言葉を使うのでしょう。疑問に思い、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)のサイトを調べたところ、ページ What is Disaster Risk Reduction? に DRR の定義がありました。

(弊社仮訳)DRRとは、災害の原因となる要因を分析し軽減する体系的な努力を通じて、災害リスクを軽減する概念および実践である。

また、ページのトップには、「自然」災害(disaster)というものはない、あるのは natural hazards だけだ、とあり、natural hazards の具体例を地震や洪水、干ばつや暴風としています。hazard = 「危険」の、偶然に左右される、人間の力では避けることのできない危険のニュアンスから、natural hazards =「天災」が、この言葉の真意でしょう。

DRR は、人間の力で天災を制圧することは難しいが、天災による被害を減らすこと、つまり、天災が起こった場合にどのようなリスクが考えられるかを分析し、その被害を軽減することを体系的に進めようという概念で、これは日本で行われている防災活動の概念と合致します。

天災そのものを防ぐために、気候変動の緩和や生態系の保全が必要ですが、その効果が表れるまでにどうしても遅れが生じ、その努力を重ねている間にも、天災が起こる恐れがあります。まず人々を守るために、と言う国連国際防災戦略事務局の姿勢が、DRR という選択からうかがえます。

2011年3月11日の東日本大震災から明日で4年。根本的な問題の解決につながる努力と、目の前のリスクに対応する努力の両方が、1人でも多くの方の命を守ることにつながることを願ってやみません。

関連の日本語サイト:第3回国連防災世界会議 仙台開催実行委員会
http://www.bosai-sendai.jp/

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