省エネ法―正式名称と通称

2014 / 6 / 10 | カテゴリー: | 執筆者:二口 芳彗子 Kazuko Futakuchi


Photo by umjanedoan

日本の法律の英語名称は、法務省の日本法令外国語訳データベースシステムでまずチェックします。しかし、例えそこで探していた法律の英語版を見つけられたとしても、翻訳で使用するかどうかは、考える必要があります。

サイトに「なお、これらの翻訳は公定訳ではありません。法的効力を有するのは日本語の法令自体であり、翻訳はあくまでその理解を助けるための参考資料です。」とあるのです。では、どうしたら良いか? 大手のニュースメディアでどのように使われているかをチェックします。具体的にはJapan Timesや日本の新聞社の英語記事、また海外のニュースメディアもチェックします。

しかし、どのようなキーワードで検索するかが、次のハードルになります。我が社では翻訳者さんが「こちらの英語名称の方が、よく使われているよ」と、情報を提供してくれるので、大変助かっています。

先日も、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」、通称「省エネ法」の英語名称の統一でチーム内で確認し合いました。先に述べた法務省のデータベースシステムでは、“Act on the Rational Use of Energy”となっています。

しかし、そもそも日本語の正式名称があまり使われておらず、もっぱら「省エネ法」が使われています。この法律はたびたび改正されており、企業などは「改正省エネ法」に基づいて事業計画を立案しているからでしょう。つい最近では昨年改正されました。

国際エネルギー機関(IEA)で「省エネ法」の英語名称であるEnergy Conservation Actが使われていましたので、簡潔でわかりやすいこちらを翻訳で採用することにしました。細かいことですが、実際の翻訳で使用する場合は、the Energy Conservation Actと頭にtheをつけます。そして、 2005年改正省エネ法は 2005 Revised Energy Conservation Act となります。

現在、大きなレポートの完成に向けて、スケジュールとにらめっこの日々ですが、そんな中でも、立ち止まってこのような見直しに付き合ってくれるチームメンバーに感謝しています。

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