お客さまとのコミュニケーション

2013 / 8 / 27 | 執筆者:二口 芳彗子 Kazuko Futakuchi

翻訳で用語や表現をお客さまと相談しながら決める時に、できるだけ3つほどの案を出すようにしています。一般的にはこれ、かっちりした表現の場合はこれ、カジュアルな表現の場合がこれ、といった具合です。その中で1番おすすめするのはこれということもお伝えします。

そのドキュメントが果たす役割や、対象読者を考えて提案します。その業界のプロとしてお客さまにも想いや意図があって、それをくみとって提案しようと心がけているのですが、「そうそう、こういう表現です!」と言っていただけることもあれば、「なんかちがう」と戻ってきて、再度提案することもあり、いわゆる生みの苦しみです。厳しいスケジュールの中でそのようなやりとりを繰り返し、最終的に納得いただける訳が出来上がった時は、本当にうれしいものです。

お客さまの向こうにいる読者に向けての翻訳をすることは、ひょっとしたら「余計なおせっかい」なのかもしれません。しかし実務翻訳では、翻訳に対する良い評価もその反対も、全てお客さまが一身に受けることになります。翻訳者や翻訳会社が前面に出る事はほとんどないからです。

それを考えると、やはりこのスタンスは変えてはいけないように思っています。実務翻訳を志してはや18年。生みの苦しみを共にしたお客さまに、繰り返しご用命いただけていることが、その背中を後押ししてくれます。

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