GRIガイドライン第4版(G4)

国際的に多くの企業が準拠している、サステナビリティレポートのガイドラインを提唱する非営利団体Global Reporting Initiative(GRI)のサステナビリティ・レポーティング・ガイドライン(GRIガイドライン)第4版(G4)が、5月22日から24日までオランダのアムステルダムで開催されていたGRIの国際会議で発表されました。
https://www.globalreporting.org/information/news-and-press-center/Pages/The-unveiling-of-the-next-generation-of-GRI-Sustainability-Reporting-Guidelines.aspx

2006年に発行された第3版から大幅な改定があり、日本企業もどのタイミングでどのように自社のレポートに取り入れるか、検討を重ねています。オリジナルが英語の文書ですから、弊社もどのような日本語を選択するか、研究を進めながらお客さまにご提案しています。

サステナビリティレポートは、企業・団体が社会の持続可能性にどれだけ貢献をしているか、また自社の持続可能性をどのように維持し、発展させているかを報告するものです。具体的には環境の影響をどのように削減させているか、どのような製品を打ち出し、お客さまの満足を得て自社の経営を持続させるか、その工夫などが書かれています。

そのガイドラインとなるG4では、この文書特有のことば遣いがあります。簡単な例で言えば、delegatenominate。どちらも辞書を引けば「指名する」と言う訳語が当てられています。それぞれの単語が使われている文脈を読み込むと、前者は「権利を委譲する、委任する」と言う意味合いが込められています。

今回の改定では、特に「重要性(マテリアリティ、materiality)」の概念に重きを置いており、ステークホルダーとの対話に基づき、事業にとって特に重要な開示情報とその指標を厳選して報告することを促しています。material=「材料、原料」と頭の中で変換する方が多いと思うのですが、G4では主に形容詞「重要な」として使われます。そしてその形容詞の名詞materialityは「重要性」として語られます。

どんな翻訳も、その文書がどういう目的で書かれているのか、それを理解して訳すことが大事だなと再認識しています。

Photo by SCA

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