Translators in Sustainability 伝わるコミュニケーションへの道
~と考えられる 隠れた主語を意識する
2013 / 4 / 29 | カテゴリー: 【翻訳】翻訳者に求められるスキルと心得 | 執筆者:二口 芳彗子 Kazuko Futakuchi
事例報告や論文で、背景や事実関係、考察や検証があって、結論を述べるときによく使われる「~と考えられる」という表現。あなたならどう訳しますか?
It is thought that…
It is considered that…
と訳してあるものがありますが、英語からは「一般的に」考えられている、というニュアンスで受け取られるかもしれません。(もちろん、前後のつながりによっては問題ない場合もあります。)
それまで述べてきたことを根拠に「筆者が」考えている、結論するので、先日の案件では
It is assumed tat…
としました。
We assume that…
としなかったのは、「(他の人はどう考えるか知らないけど)自分たちはこう考える」といった主張に使われることもあるので、避けました。
日本語は主語のない表現が多いですが、英訳では「だれがそうするのか」、と主語を意識し、より自然な英文となるように心がけています。