Translators in Sustainability 伝わるコミュニケーションへの道
biodiverse = 「生物多様性豊かな」
2011年12月18日に、地元の金沢で開催された「国連生物多様性の10年 国際キックオフイベント」の記念フォーラムに参加しました。
http://isp.unu.edu/events/2011/global-launching-of-the-united-nations-decade-on-biodiversity.html
アフメド・ジョグラフ生物多様性条約(CBD)事務局長や、パルヴィス・クーハフカン世界農業遺産(GIAHS)イニシアティブコーディネイター兼国連食糧農業機関(FAO)天然資源管理・環境局 土地・水資源部長など、久しぶりに生の英語のスピーチを聴く機会となりました。
「トキと共生する佐渡の里山」と「能登の里山里海」が2011年6月に世界農業遺産(GIAHS)に認定されましたが、トキの野生復帰に関して、能登と佐渡は昔から深いつながりがあり、この二つの地域が同時に認定されたのは、非常に興味深いものがあります。
クーハフカン氏は、生物多様性の保全を力強く進めるためには、地域から緊急かつ具体的に行動すべきだ、と力説していました。そういう観点から、地方都市・金沢での開催となったようです。
さて、クーハフカン氏のスピーチの中で biodiverse ということばを何度も使っていました。これは、bio- + diverse 、辞書にもまだ載っていない新語です。英日辞書にもまだ掲載されておらず、 Wikishonary 英語版に、Biotically diverse; having a high degree of biodiversityとあります。
2010年5月環境省が発表した「生物多様性地域戦略策定の手引き」に、「生物多様性豊かな」ということばが使われていますが、氏のスピーチの内容から「生物多様性豊かな」という訳語がぴったりくるなぁと、感じました。
英訳の際はこれまではbiologically diverseとしてきましたが、これからは、biodiverse を使っていこう、と思います。
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