Translators in Sustainability 伝わるコミュニケーションへの道
confidenceにはまりました
By hojusaram
翻訳を仕事としていると、同じ日に全く別の翻訳で、同じあるいは関連性のある用語に出くわすことがあります。私は「これについて学べ」と言われているようで、いつもひとしきり調べものをします。今日は、confidenceという単語を含む二つの経済用語、consumer confidenceとbusiness confidenceでした。
consumer confidenceは、 一般的に「消費意欲」と訳されますが、ロングマン英英辞典で調べると、「the level of people’s satisfaction with the economic situation, which is shown by how much money they spend」=消費する金額によって示される、景気にどれほど満足しているかの度合い、とあります。米国には米民間調査機関のカンファレンス・ボードが発表するConsumer Confidence Index (CCI)があります。
http://www.conference-board.org/data/consumerdata.cfm
これに対し、business confidence は「企業マインド」「景況感」と訳されますが、どの英英辞典でもヒットしないので、比較的新しいことばのようです。business sentiment, corporate mindsetとも言いかえられますね。consumer confidenceの定義から推測すると、企業の投資意欲を表しているようです。
confidenceをOxford英英辞典で調べると、belief in others, belief in yourself, feeling certain, trust, secretとあります。それぞれ信任、信頼、信用/自信/確信/信用、信頼/秘密と訳せます。
いろいろ調べるなかで、consumer confidence, business confidenceにぴったりのconfidenceの意味を(独)情報通信研究機構が提供する日本語WordNetに見つけました。
事態が順調にいくだろうという、確固とした見込みがある状態
= a state of confident hopefulness that events will be favorable
confidenceとみると、反射的に「信頼、信用、自信、確信」の中から選んできましたが、こうして調べていくことで、このことばの厚みや深みに触れた思いがします。
環境に関する翻訳を弊社の専門としているのですが、最近は環境に与える影響を「見える化」することが大切という流れがあり、経済用語も強くならないと、と思うこのごろです。