Member
- Areas
- Contact
- お問い合わせフォーム
水野 裕紀子さん Yukiko Mizuno
今までの経験をフル活用して翻訳しています!
大学院留学や15年間に及ぶ国際協力の仕事を経て、現在、翻訳(日英、英日)の仕事を続けている水野さん。多彩な経歴や翻訳者としての仕事の醍醐味、そして仕事と暮らしをうまく回していくコツを伺いました。
今までの経験をフル活用して翻訳しています!
-エコネットワークスとの出会いは?
エコネットワークスの二口さんが講師を務める「環境・エネルギー翻訳」の特別講座を受講したのがきっかけです。講座の修了後、トライアルを受け合格し、翻訳者としてプロジェクトに参加するようになりました。
ー普段はどんなお仕事をしているのですか?
エコネットワークスを含め、数社で翻訳のお仕事をしています。日英と英日の割合は、年によって変わりますが、昨年は半々くらいでした。分野は自然保全、自然エネルギー、廃棄物などの環境関連から、より広く農業や漁業、国際社会、経済に関するものまでさまざまです。
ー翻訳者になる前は、大学院で学んだり、国際協力のお仕事もしていらっしゃったのですよね。多彩なご経歴についてお聞かせください。
幼少時に、父の仕事の関係でニュージーランドに住んでいました。大学では生物学を学んだのですが、その時の先生がとても良い方で「生物は面白い!」という気持ちが伝わるような教え方をしてくださいました。それでさらに学びたくなり、大学院に進みました。その後、民間企業で働くなかで、「社会科学の視点から環境分野の勉強をしたい」という気持ちが湧き、アメリカに留学して環境管理学(資源経済政策)を専攻しました。
大学院を修了してからは国際機関職員として4年間フィジーに滞在しました。フィジーの人たちは日本人の感覚とも近いところがあり、人と人の距離が近く、とても楽しかったです。帰国後は民間コンサルティング会社の研究員となり、アジア、太平洋の島国、アフリカ、南米などの多様な国々で業務を行いました。仕事の内容は、森林、自然保全分野の開発プロジェクトの計画策定や評価が中心で、年に数回の海外出張がありました。
出産後もしばらくは続けていたのですが「子育てをしながら、また将来的には介護などもしながら無理なく続けられる仕事をしたい」と思い、2008年ごろから翻訳の勉強を始めました。その後、フリーランスの翻訳者になり、今に至ります。
ー日本語、英語を使って仕事をしてきた経験が、今に活かされているのですね。翻訳の仕事の面白い点、やりがいを教えてください。
開発プロジェクトの計画策定や評価の仕事は、業務内容、立ち位置、期限が決まっていて、自分の仕事のアウトプットが分かりやすい点が、自分に合っていると感じていました。
翻訳の仕事も、そういう意味ではコンサルティングに似ているところがあるように思います。自分のアウトプットが喜ばれる、役に立つことがモチベ―ションになります。案件ごとに新しい学びもあり、「今の仕事は自分に合っているなあ」と感じています。
ー今のライフスタイルは?
基本は月~金の在宅ワークです。朝、夫や子どもが起きる前の時間と、子どもたちが学校に行っている時間が就業タイムです。土日は子どもたちが起きるまでの数時間、仕事をすることもありますが、基本的にはお休みにしています。
ー在宅ワークだと、気が散ってしまう時があるのですが、集中力を保つコツは?
ダメだと思ったら、立って歩いたり、少し仮眠します。ずっと座っていると疲れるので、気分転換しています。
ーオフは、どのように過ごしているのですか?
子どもたちと一緒に、図書館に行ったり、遊んだり、宿題を見たりします。家族全員スポーツが好きなので、いろいろなスポーツのテレビ観戦もします。
それから3年ほど前にジョギングを始めて、続けています。翻訳の仕事は一日中、パソコンの前に座っているので、運動不足の解消になりますし、早朝の公園を一人で走ると、とてもリフレッシュします。最近、初めてフルマラソンを走りました。いつかは海外のマラソン大会でも走りたいなと、ひそかに思っています。
ー家族みんなでスポーツ観戦、楽しそうですね。サステナブルな働き方・暮らしのために大切にしていることは?
国際協力の仕事をしている頃、サステナビリティという言葉を毎日のように使っていましたが、自分はどうなのだろう、実践しているんだろうか? と疑問に感じていました。今は、地に足のついた形でサステナビリティを実践していきたいと思っています。無理せず、その時々のライフスタイルに合わせて、仕事の量も加減しながら、細く長く、翻訳の仕事を続けていきたいです。
ー最後に、今後の夢をお聞かせください。
本、特に環境やサイエンス分野の本を翻訳したいです。
大人向けの本だけでなく、小中学生向けの本にも挑戦したいと思っています。出版翻訳は壁が高いのですが、あきらめず、訳したい本を探したり、訳出してみたり、きっかけをつかむ努力をしています。(取材日2018/3/2)
経歴:
幼少期と中学生の一時期をニュージーランドで過ごす。大学で生物学、大学院で植物の分子遺伝学を学ぶ。日本の民間企業に勤務後、米国デューク大学大学院で環境管理学(資源経済政策)を専攻。その後、国際機関職員、民間コンサルティング会社の研究員などさまざまな立場から国際協力に約15年従事し、アジア、太平洋の島国、アフリカ、南米などの多様な国々で業務を行う。主に森林、自然保全分野の開発プロジェクトの計画策定や評価に従事。2012年7月に翻訳者として独立、現在に至る。