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人権おしゃべり会「『ビジネスと人権』から考える平和」を開催
2026 / 5 / 1 | カテゴリ: お知らせ | 執筆者:宮原 桃子 Momoko Miyahara
お茶会のようなカジュアルな雰囲気で、人権に関するテーマについておしゃべりする「SCHR会(ス茶会)×ENW」。4月は「『ビジネスと人権』から考える平和」というテーマで開催しました。
世界情勢がさらに緊迫する今、企業の活動も紛争や民族対立、搾取などと無縁ではいられず、改めてその直接的・間接的な関わりを見つめる必要があります。様々な観点から人権リスクを予防・低減することが、平和とどのようにつながっていくのか。なぜ、企業も平和の実現に向けて取り組むことが必要なのか。参加者の皆さまと共に、様々な視点から考えてみました(以下、一部)。
- ・平和が実現できない背景には、貧困や環境格差など「Justice(正義)」が妨げられていることがある。誰かが犠牲にならない社会をつくるために「ビジネスと人権」は一つの重要な切り口である。
- ・ビジネスと人権と平和を考える際、企業が直面する難しさは三つほどある。
一つ目は、防衛と攻撃の線引きをどう捉えるか。国連でも例外的に認められている自衛のための事業であれば良しとするか、防衛事業そのものをNGとするのか、スタンスが問われる。企業として、積極的平和と消極的平和のどちらのスタンスを取るかが、NGOやステークホルダーとの対話で重要なポイントとなる。二つ目は、自社製品の用途をコントロールする難しさがある。米AI開発企業アンソロピック社は、自社のAIが、米国防総省によって大規模監視や完全自立型兵器にも使われる方向性を踏まえて、契約を打ち切った(参考記事:アンソロピックが米国防総省との契約を打ち切り|朝日新聞デジタル)。三つ目は、事業の外部環境が急激に変化したときの対応・判断の難しさがある。事業展開国の動向や気候変動も含めた社会動向を組み込んだ人権デュー・ディリジェンスの強化が必要。 - ・紛争リスクに対して普段からどこまで備えておくか。人権デュー・ディリジェンスの観点だけでなく、リスクマネジメントの観点での仕組みや体制との統合(従業員の退避など含め)が大事ではないか。
- ・企業としてのスタンスを表明することは、他社も巻き込んだコレクティブなインパクトにもつながる。米アンソロピック社の動きに対しては、同業他社の従業員も賛同を表明した(参考記事:アンソロピックへの同業他社従業員の賛同表明|日本経済新聞)。また、組織がそのような行動を取ることで、社内からも声が上がりやすくなる土壌も生まれるのでは。
- ・サステナビリティ推進担当の立場として、ビジネスと人権と、戦争と平和は切り離せず、関心を向けるべきテーマだと感じる。政治的なテーマを話すことに心理的な障壁があるのも事実。ただ、そうした個人の哲学・思想・正義などとは別に、企業人として何を考えどう対処しなければならないか、自社事業が人権リスクを助長あるいは侵害していないかを冷静に把握することが重要。人権デュー・ディリジェンスにこの観点をしっかり組み込むことが必要不可欠。企業人として、不正義に加担しない仕組みづくりに向けて何かしようと思いを新たにした。
- ・企業として紛争に関わるリスクを回避するだけでなく、積極的に平和を構築するという観点では、多くの企業が推進する「多様性尊重」「DEI」などの基盤活動は、その積み重ねが土台をつくっていくといえ、改めて重要だと感じた。
自社の事業が、紛争など平和や人権を脅かす事象とつながるリスクをしっかりと念頭に置いた上で、人権デュー・ディリジェンスやリスクマネジメントの仕組みを強化していくことの重要性が改めて共有されたセッションになりました。
★次回開催は5月28日(木)11時30分~12時、テーマは「人権リスク調査の実効性を高めるには」です。
詳細・お申し込みはこちらのページからお願いします。