人権おしゃべり会「動物の権利にどう向き合う? 企業とアニマルウェルフェア」を開催

2026 / 3 / 2 | カテゴリ: | 執筆者:宮原 桃子 Momoko Miyahara

組織を超えて様々なメンバーが集う学びと対話のプラットフォーム「Wave With(ウェーブ・ウィズ)」。そのセッションの一つとして、ビジネスと人権に取り組む団体「Social Connection for Human Rights(SCHR)」と共に、お茶会のようなカジュアルな雰囲気で、人権に関するテーマについておしゃべりする「SCHR会(ス茶会)×ENW」を月1回開催(30分間/オンライン)しています。

2月は、人権からさらに範囲を広げ、「動物の権利にどう向き合う? 企業とアニマルウェルフェア」というテーマで開催しました。冒頭、日本におけるアニマルウェルフェアの普及度は依然として低いものの、大手企業の取り組みが少しずつ進みつつある現状を共有。今後さらに推進していくために、どのようなことが必要かざっくばらんに意見交換を行いました(以下、一部)。

  • ・コロンビアでは、グローバル市場への輸出戦略を背景に、アニマルウェルフェアを推進する動き・法規制が進んでいる(闘牛場の閉鎖、化粧品の動物実験の禁止、ペットショップ禁止の動きなど)。平飼い卵の商品ラインナップも多く、市民の意識も高い。
  • ・タイ企業は、欧州などの市場向けにアニマルウェルフェアを推進してきた経緯があり、豚の妊娠ストール(拘束飼育)対策をはじめ日本企業より進んでいる。
  • ・よりアニマルウェルフェアに配慮したタイ産の肉は日本市場にも多く入っているが、日本では消費者の国産神話が強いため、企業側もタイ産であることを前面に押し出さない。
  • ・現状日本企業は、ESG対応やグローバル対応などの観点でアニマルウェルフェアに取り組んでいる部分があるが、他方で国内消費者の意識・ニーズが高まらないと、持続的な取り組みにならない。日本ではようやく人権意識が向上してきた段階で、さらに動物の権利となると、権利意識そのものに関するさらなる教育・啓発が重要。企業とNGOがパートナーシップを組んでポジティブな啓発キャンペーンを行うなどの連携はありえるのでは。
  • ・日本では「いただきます」の概念があり、命への感謝の気持ちが伝統的にはあったはずだが、工業化の過程で失われてきたという問題がある。作られる・育てられる環境への意識・知識が不足している。
  • ・日本でアニマルライツを掲げても、結局食べてしまうものと捉えられて、なかなか理解が得られないところがある。他方、消費者・生活者においては「食の安全・安心」への関心が高い。劣悪な環境で育てられ抗生物質が多用された肉が人間にとって「安全・安心なのか」という視点は伝わりやすいのではないか。
  • ・アニマルウェルフェアを、地産地消・安心安全といった他の切り口とどのようにつなげて伝えていくのかは一つのカギ
  • ・「ビジネスと人権」のテーマはとかく手法・テクニカルな部分に関心が集まりがちだが、そもそもの人権尊重の意義・原点を改めて見つめる必要がある。身近な「食」を入り口にすると、入りやすい・考えやすいかもしれない。
  • ・動物と人間の間には、食肉やペットなど色々な関わりがあるため、どこを焦点にするのかという共通認識をまずクリアにし、素地を整えてから議論することが大切なのではないか。

今後企業がアニマルウェルフェアへの取り組みを進めていく上で、生活者への訴求アプローチや企業・NGO間の連携など、押さえるべきポイントが共有されました。これらの要素は、アニマルウェルフェアに留まらず、人権や環境などに配慮した製品市場を醸成していく上で共通のカギを示しているようにも感じました。

★次回開催は3月11日(水)16時~16時30分、テーマは「人権領域における企業・NGOエンゲージメント」です。
お申込み:こちらのフォームからお願いいたします。

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