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人権おしゃべり会「2026年の人権トピックス、どこに注目?」を開催
2026 / 2 / 2 | カテゴリー: イベント | 執筆者:宮原 桃子 Momoko Miyahara
組織を超えて様々なメンバーが集う学びと対話のプラットフォーム「Wave With(ウェーブ・ウィズ)」。そのセッションの一つとして、ビジネスと人権に取り組む団体「Social Connection for Human Rights(SCHR)」と共に、お茶会のようなカジュアルな雰囲気で、人権に関するテーマについておしゃべりする「SCHR会(ス茶会)×ENW」を月1回開催(30分間/オンライン)しています。
1月のテーマは「2026年の人権トピックス、どこに注目?」でした。セッション冒頭で、2025 年 11 月にスイス・ジュネーブで開催された「第14回国連ビジネスと人権フォーラム」に参加したSCHRの佐藤暁子さんから、会議の主なポイントを共有しました。
| 今回のテーマは「危機と変革のさなかでビジネスと人権の取り組みを加速させる」 |
| 政治的・地政学的な緊張の高まりや紛争、気候変動、AIによる急速な技術革新などによって生じる危機と、その中での指導原則の役割とライツホルダーにとって必要な変化などが議論された。 |
| 強制労働・気候変動/環境・テクノロジー・紛争・人権デューディリジェンス・ギグエコノミーなど多様なテーマが議題に。紛争、およびこれに関わる軍事産業や間接的に関与する企業の取り組みなども議論された。 |
| 先住民族・地域住民、人権擁護者、若い世代の活動家なども登壇し、厳しい現実を語った。 |
| 関心は「より実効性のある人権デューディリジェンス」と「救済・是正」、そして「持続可能なビジネスモデルへの転換」 |
| 議論に終始することへの警鐘も。いかに救済・是正につなげていくのかが重要な焦点に。 |
本セッションには、メーカーで人権領域に関わる方や人権デューディリジェンス支援に携わる方などがご参加くださいました。会議のポイントを踏まえながら、それぞれが関心や課題感を持っていることや、2026年に取り組んでいきたいことなど、ざっくばらんに意見交換を行いました(以下、一部)。
- ・排外主義が強まり、人権リスクが高まっている。「外国人」などと一括りにするのではなく、その中に様々な立場のライツホルダーがいることを踏まえた、丁寧な議論・対話が必要。
- ・国連ビジネスと人権フォーラムでも、対話や「意味のあるステークホルダーエンゲージメント」の重要性が語られている。カギを握るのは「信頼」であり、そこには心理的および物理的な安全性の確保が必要。
- ・国際社会が捉えている人権リスクへの危機感と、ビジネス界で捉えている温度感との間に差が生じているように感じる。組織内で様々な部署がバラバラに取り組んでいるケースもあり、統合的なアプローチになりにくくなっている。全体をしっかり見ながら、どこに取り組めば実際の救済・是正につながるか考えていく必要がある。
- ・事業戦略とサステナビリティ戦略を結び付けて全体をどう統合するか、ガバナンスとしてどう管理していくかは重要。日本企業では、個別具体的な人権リスクを見つけようという傾向が強い中で、包括的なアプローチが不足している部分があるかもしれない。
- ・SSBJ基準などで財務との関連性が問われる中で、単純な指標や数値だけで捉えていく流れが強まることへの懸念もある。企業として取り組みをどう位置付けるかをしっかり考える必要がある。
- ・企業のKPIとしては「人権研修受講率〇%」などが設定される中、表面的な取り組みで終わらず、実効性のある人権デューディリジェンスを進めることが大事。
- ・人的資本の議論も「資本」というキラーワードの影で、そもそもの背景にある人権への理解がきちんと捉えられているか懸念がある。改めて、様々な方針や取り組みにおいて、しっかりと「人権の視点」があるかを見つめることが重要。
- ・日本と欧米の間では、基本教育の中で人権をしっかり浸透させているかどうかの差が現れていると感じる。そもそも人権とは何かということへの理解を足元で固めないとならない。
意見交換を通じて、人権への取り組みを表層的なレベルで終わらせず、実効性のあるものにしていく上での重要な視点が共有されました。参加者がそれぞれの組織や暮らしの中で、今後意識していくべきヒントを得られたと感じます。
★次回開催は2月16日(月)11時30分~12時、テーマは「動物の権利にどう向き合う? 企業とアニマルウェルフェア」です。
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