人権おしゃべり会「顧客満足と人権対応、その線引きは?」を開催

2025 / 10 / 29 | カテゴリー: | 執筆者:宮原 桃子 Momoko Miyahara

組織を超えて様々なメンバーが集う学びと対話のプラットフォーム「Wave With(ウェーブ・ウィズ)」。そのセッションの一つとして、ビジネスと人権に取り組む団体「Social Connection for Human Rights(SCHR)」と共に、お茶会のようなカジュアルな雰囲気で、人権に関するテーマについておしゃべりする「SCHR会(ス茶会)×ENW」を月1回開催(30分間/オンライン)しています。

10月のテーマは「顧客満足と人権対応、その線引きは?」でした。企業のお客様窓口には、クレームや賛辞など様々な声が寄せられ、顧客満足の観点で対処すべき事項なのか、人権の観点で対処すべき事項なのかなど、判断が難しい事例も多くあります(こちらの記事もご参照ください)。会の冒頭では、個人の信条・思想などから肉を食べない顧客への対応などいくつかの事例を共有しながら、対応のあり方についてざっくばらんに意見交換を行いました。

  • ・線引きが難しい中で「人権への負の影響」「誰の何の権利に影響があるのか」をしっかり考えることが重要。
  • ・重要度・優先度をつけた対応を行う上で、生命や性的指向などをはじめ「その人が生きる上で絶対的に欠かせないものを侵害しているかどうか」は一つの基準になりうる。
  • ・日本社会には「お客様至上主義」的な文化があり、BtoCだけでなくBtoBも含め、カスタマーハラスメントが生じるリスクや労働環境に負の影響を与えるリスクが高い。顧客に対してどこまで対応すべきかをしっかり考える必要がある。顧客満足を優先すべきか、人権を優先すべきかの線引きをするためには、企業におけるルールづくりや教育・研修が必要。
  • ・法規制に抵触するレベル、社会通念的に問題があるレベル、あるいはその人の好みの問題として扱われるレベルなど、事象のレベルに幅がある。法規制がない場合は判断や対応が難しい。法規制や社会通念の可視化に加え、企業における一定の基準やルールが必要。
  • ・各国・地域の法令と国際基準の間に相違がある場合は、高いレベルに合わせていくのが基本。
  • ・顧客窓口に寄せられる内容は、人権リスクが高いものはあまりない印象。それに伴い、お客様の人権に配慮しながら窓口対応をすることについて、方針の策定や教育・研修の実施などを進める企業はまだ多くないのではないか。
  • ・潜在的なリスクを放置しておくと、人権侵害につながる可能性がある。人権に現時点で直結しなくても、寄せられた声からリスクを予防していくことが大切。
  • ・潜在的なリスクを低減していく上で、リスク対応のアプローチと同時に、新たな顧客開拓といった機会の観点からのアプローチもありえる。リスク対応アプローチの方が、企業の取り組みが進むのではという声も。

意見交換を通じて、顧客対応における人権リスクを予防していくために、押さえるべき視点や必要なアクションについて、多くのヒントが得られました。次回開催は、11月19日(水)11時30分~12時です。京都のホテル従業員がイスラエル人宿泊者を拒否した事例を踏まえ、「従業員個人の信条が、企業方針と異なったら?」をテーマに開催します。お申し込みはこちらから

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