寄付のご報告  ENWから10団体へ

2025 / 3 / 10 | カテゴリー: | 執筆者:EcoNetworks Editor

エコネットワークス(ENW)は2025年2月、前年度の売上の1%にあたる総額95万4,000円を、福祉・医療、多様性、環境、子どもなどの分野で活動するNPO10団体に寄付しました。寄付先の選定にあたっては、ENWパートナーへのアンケート調査の結果を反映するとともに、社内の寄付チームで寄付先の活動や会計報告の状況などを確認しました。以下、寄付先の活動についてご紹介します。


執筆:新海美保


<福祉・医療/多様性>

避難先の地で目指す“持続可能な共生社会” 特定非営利活動法人しんせい

除染されなかった森林の放射能を測定する「山の学校」の参加者 (Photo by しんせい)

「誰ひとり置き去りにしない」をモットーに、東日本大震災・原発事故の影響を受けた障がい者への支援を続けています。避難先の地で農園を開き、「持続可能な社会とは?」という問いに向き合い、2022年には国立環境研究所や地域の高校生、全国の企業などと協力して「山の学校」を設立。2024年は家族向けの防災プログラムや風評被害を払拭するためのプロジェクトも開始し、多世代が一緒になって共生社会を目指す取り組みを続けています。

地域を大きな家族に。「希望のまち」始動! 認定NPO法人 抱樸(ほうぼく)

春の野外交流会の様子(Photo by 抱樸)

「ひとりにしない支援」をモットーに、生活困窮者や孤立した人々の居住支援、就労支援などを行っています。2024年に実施したクラウドファンディング「希望のまちプロジェクト」では、わずか3ヵ月で1億円以上の寄付が集まるなど全国から支持を得て、2025年1月に福岡県北九州市で起工式を実施。救護施設やシェルターなどの支援機能に加え、誰でも利用できるレストランや交流フロアを整備し、日常のくらしと福祉が融合する“まちづくり”を目指しています。

民間初!災害医療支援船で多機能連携訓練 空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”

2024年1月の能登半島地震でも活躍した災害医療支援船 (Photo by ARROWS)

大規模災害の被災地にいち早く駆けつけ、救助・救命活動を行う緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”(運営:ピースウィンズ・ジャパン)」。2024年は能登半島の地震や豪雨の被災地で救命活動や物資支援などを続けてきたほか、4月に発生した台湾地震や7月のモザンビークサイクロンなどでも支援活動を展開しました。自然災害が頻発する中、民間初の災害医療支援船を活用し、大規模な医療救助訓練も続けています。

「希少・難治性疾患」領域の前進を目指して 特定非営利活動法人 ASrid(アスリッド)

2024年2月に開催されたイベント「RDD Japan」 (Photo by ASrid)

世界約3億人がかかっていると言われる「希少・難治性疾患」。世界に約6,000の疾患がある一方で、一つひとつの患者数が少ないために診断がつかない・治療法がないなど、様々な困難に直面しています。ASridは、希少・難治性疾患患者向けの情報サイトの運営や医薬品研究のサポート、病気に関する調査・研究、イベントの開催などを通じて、患者や家族、研究者、医療従事者、企業など様々な立場の人をつなぐ役割を果たしています。

難民・国内避難民への支援を継続 認定NPO法人 難民を助ける会

生活支援金を受け取ったナスチャさん一家と話すAAR職員=ウクライナ南部ヘルソン州
(Photo by AAR Japan)

1979年にインドシナ難民支援を目的に発足して以来、65を超える国と地域で難民支援や地雷対策、障がい者支援などの活動を続けてきました。相次ぐ人道危機によって、2024年に世界の難民・国内避難民の数は1億2,000万人を超え、支援を必要とする人々が増える中、ウクライナをはじめとする難民・国内避難民への支援を継続。アサド政権の崩壊によって約14年ぶりに祖国シリアへ帰還した人々など、帰還民への支援も開始しています。

<環境>

森を守り、水を守り、命を守る 公益財団法人 奥山保全トラスト

京都府京北町にある京北トラスト地でツアーを開催 (Photo by 奥山保全トラスト)

奥山保全トラストは、今わずかに残された奥山水源の森を市民からの寄付によって買い取り、開発から守る「ナショナル・トラスト運動」を展開。これまでに全国22ヵ所、2,539ヘクタールの森林を保全してきました。近年、再生可能エネルギー(再エネ)推進の名目で森林が破壊されたり、自然災害に対して脆い再エネ施設がさらなる被害につながったり、看過できない事例が各地で相次いでいます。生物多様性にあふれ、また災害に強い水源の森を次世代へと残すため、奥山保全トラストは奥山水源域のトラスト運動を続けていきます。

アジア太平洋からゲストを招き国際シンポジウムを開催 認定NPO法人 FoE Japan

2024年7月に国際シンポジウムを開催 (Photo by FoE Japan)

気候変動や森林破壊、大規模開発による環境・人権問題、脱原発・脱化石燃料など、幅広い分野で政策提言を続ける国際環境NGO。2024年は、6月の参議院環境委員会で「温対法改正案」に関する参考人質疑に参加し、市民の声を政策に反映させるための意見を表明しました。国際シンポジウムやオンラインセミナーの企画などを通じて、気候危機やエネルギー政策への関心を広げ、7月にはFoEアジア太平洋の10ヵ国以上からゲストを招き、国際シンポジウムを開催しました。

<子ども>

遺児たちを支える奨学金    一般財団法人 あしなが育英会

奨学金や教育支援、心のケアなどを通じて、親を亡くした子どもや親が障がいを持つ家庭の子どもを支えるあしなが育英会。2024年度に支援した学生の数は6,552人(2024年12月現在)で、これまで支援した遺児学生の数は11万人にのぼります。奨学金事業だけでなく交流事業にも力を入れ、2024年度は奨学生向けの交流イベントや留学生向けの交流会など、国や地域を超えて学生同士がつながる機会も提供しました。

進学を支える「入学・新生活応援給付金」 公益財団法人 あすのば

子ども貧困問題解決を目指して、子どもたちへ「直接支援」、子どもを支える団体へ「中間支援」、子ども貧困を見えるするため「調査・提言」の3本柱で活動するあすは、2025年に設立10周年を迎えます。2024年は「入学・新生活応援給付金」を受給した子どもや若者、保護者などを対象とした調査結果を発表。物価高中、ますます困窮する家庭に向けた支援必要性を訴える政策提言なども続けています。

 

ENWでは、上記以外にワールド・ビジョン・ジャパンのチャイルド・スポンサーシップを通して、ルワンダに住む子どもたちを支援しています。

ENWでは、2017年から毎年、社会の課題に向き合うNPOへの寄付を続けています。寄付金の使途や寄付の先にある社会課題に注目し、NPOの皆さんをゲストに招いて「シェア会」を開催しているほか、2025年は寄付先訪問も検討しています。
参考:https://www.econetworks.jp/enwlabo/sharekai_refugees/

 

※「障がい」の表記について:
「障がい」という言葉については多様な考え方があることを理解し、それぞれの考え方を否定する意図はないことを前提に、本記事では寄付先のご意向に沿い「障がい」という表記で統一しています。

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