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ISSB基準に向けた、海外企業の対応状況とは?

(Photo by HallieLewis via Pixabay)
ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)基準への対応として、日本では2025年3月5日に、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)から確定基準が発表されました。同様に、他の国々でも導入に向けた準備が着々と進められています。
海外の規制動向から見える特色
諸外国の規制を比較してみると、どの国も基本的にはISSB基準の内容をほとんど踏襲する形で対応が進められているものの、各国で少しずつ異なる特色が伺えます。
日本では、2023年に内閣府令により、有価証券報告書でのサステナビリティ情報開示が義務化されたことを踏まえ、金融庁が有報におけるSSBJ基準の適応に向け、適応対象企業や適応開始時期などについて検討を進めています。また、現在SSBJ事務局でも、「有価証券報告書の作成要領(サステナビリティ関連財務開示編)」の作成が進められています。
その他、日本を含むいくつかの国々では、売上規模やセクターなどに対象企業を分け、段階的に導入する措置が進められています。さらに、カナダの基準では、同国に住む先住民へのコミットメントが明確に示されていたり、中国の基準では、ダブルマテリアリティアプローチを採用していたりなどの特徴が見られます。

※各機関のWEBサイトを基に、筆者作成。ISSBへの対応を行っている国・地域の一部を記載しています
ISSB基準に沿った、海外企業の開示事例
各国が対応を進める中、任意開示が始まっている国々を中心に、徐々にISSB基準に沿った開示事例が出始めています。
- Fidelity Bank(ガーナ・金融会社)
- ・サステナビリティレポートのガバナンス報告ページの一部に「Disclosures Required by IFRS S1 and S2」を設置し、「ガバナンス」、「戦略&指標・目標」(環境&社会別)、「リスクマネジメント」といったISSB基準に沿った構成で、詳細を記載
- CDL(シンガポール・不動産会社)
- ・2025年度までにISSB基準に完全適用した開示をするため、サステナビリティレポート2024では、現状の開示状況をTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)やISSB基準の気候関連開示要件と比較の上、ギャップ分析を行い、その結果や今後の対応に向けたロードマップを開示
一貫性、透明性のある開示を念頭に対応を
また、 花王、NEC、ニコンなどの日本企業でも、サステナビリティレポートにおいて、ISSBの「ガバナンス」「戦略」「指標・目標」「リスクマネジメント」といった枠組みに沿った開示を行う企業が徐々に増えてきています。
有価証券報告書のほか、サステナビリティレポート、統合報告書など開示媒体が複数ある中で、それぞれの目的や役割などの棲み分けを明確にした上で、どのように一貫性のある開示を行っていくのか検討していくことが必要です。また、上記CDLの事例のように途中のステータスも含め開示をしていくことも透明性・信頼性の確保の上では重要です。
(船原志保/アナリスト)
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