何ができる? Human Rights Defenderとの向き合い方

2023 / 7 / 7 | カテゴリー: | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

エコネットワークスでは、前年度の売上の1%を毎年NPOに寄付しています。社会情勢を鑑み、緊急でファンドを立ち上げて支援を実施することもあります。

そうした過去の寄付先の1つに、少女の居場所づくりに取り組む一般社団法人 Colaboがあります。このColaboをはじめとする若年女性の支援に取り組む複数の団体が、いわれのない妨害行為を受けており、その影響が深刻化しています。

きっかけは、Colaboが東京都から受託した若年女性支援事業に対し、都内在住の男性が会計報告への不正を指摘し、住民監査請求を起こしたことです。結果的に、軽微な会計処理上のミスはあったものの、不正などなく、実態としては委託費よりも活動費が多い持ち出しで対応していることが明らかになりました。それにも関わらず、ネット上の誹謗中傷は止まず、東京都は活動の縮小につながるような対応を取り、問題は今も継続しています。(同団体の活動と事の経緯の詳細を報じた記事はこちら:週刊女性PRIME

Human Rights Defender(人権擁護者)の存在

人権を守るために平和的に活動している、Human Rights Defender(人権擁護者)と呼ばれる人たちがいます。日本政府が公表した「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」の中でも、企業が考慮すべきステークホルダーの1つに挙げられています。近年、世界的にHuman Rights Defenderに対する攻撃が強まっており、特に女性が標的となるケースが多いとされています。

一般的にHuman Rights Defenderと聞いてイメージするのは、サプライチェーンの上流における、人権リスクが高い国や、鉱山や農場といった原材料の生産・採掘現場、先住民の居住地域で活動する人々ではないでしょうか。しかし冒頭で紹介したColaboのような団体も、まぎれもないHuman Rights Defenderです。ともすると遠い国のことと考えがちですが、私たちの足元でも、人権のために積極的に活動している方々がいます。

企業とHuman Rights Defender(人権擁護者)の関わり

日本企業でも、サントリー協和キリンのように、人権方針などで「人権擁護者」に言及するケースが見られるようになりました。Human Rights Defenderに対して根拠のない法的手段や不当な脅迫をして負の影響を及ぼさないないことがまず企業に求められることですが、一歩進んで、そうした人々を保護する役割も期待されるようになっています。人権先進企業の独Adidasは、Human Rights Defenderに対する方針を公表し、保護するために当局と交渉するといった具体例を示しています。

実はENWが過去にご一緒したNPOを支援する団体から、若年女性の問題に取り組む支援先がこうした攻撃を受けていて、その団体に対しても問い合わせ等が来ており、もしかしたらその団体の支援先にも何かしら影響があるかもしれないので留意してほしい、という注意喚起をいただいたことがあります。

その当時は、影響はありません、引き続き応援しています、という対応にとどまったのですが、今振り返ると、Human Rights Defenderを積極的に支えるという観点から、もっとできることがあったのではと感じています。

批判を恐れて萎縮したり距離を置いたりするのではなく、人権が尊重される社会を構築する上でより主体的な役割を果たしていくという点から、Human Rights Defenderとの向き合い方を真剣に考える企業が増えることを望みます。そして私たちもその一員でありたいと願います。

(Photo by Gabriella Clare Marino via Unsplash)

このエントリーをはてなブックマークに追加

Sustainability Frontline もっと学びたい方へ

この記事で取り上げたテーマについてより詳しく知りたいという方は下記よりご連絡ください。より詳しい内容理解 / 勉強会でのライトニングトーク / 社内セミナーでの話題提供など、一緒に学びを深める機会を作っていきたいと思います。

    お名前
    メールアドレス
    企業名、団体名
    詳しく知りたい内容など

    プライバシーポリシーに同意する