業界内連携で、サステナビリティ推進に「インパクト」を

2022 / 6 / 22 | 執筆者:宮原 桃子 Momoko Miyahara

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サステナビリティに対する社会全体の動きは、特にこの5年くらいで劇的に変化しています。エコネットワークスで日々ご支援している企業各社も、気候変動対策、サーキュラ―エコノミー推進、D&I推進など、あらゆる側面で必死に取り組みを進めています。サステナビリティ関連部署の方々は、膨大なタスクに追われ、目が回るような忙しさです。

一方で、各社が直面する課題や求められる対策は、多くが共通しています。特に同じ業界ともなれば、なおさらです。

待ったなしの課題を目の前に、「競争」を超えた「協働」へ

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業界の先頭を走る、ある最大手企業の役員の方が、このようなことをおっしゃっていました。

これまで企業は、情報を隠しあって競争してきたが、サステナビリティの領域ではお互いにオープンに情報を開示して、学びあいながら、みんなでより良い社会を目指していける

気候変動など「待ったなし」の課題に対して、効率的かつスピーディーに、そして効果的にイノベーションやインパクトをもたらしていくためには、業界内でノウハウや技術を共有するなど、横断的なパートナーシップが欠かせません。

アディダスとオールバーズ、CO2排出削減に向けた連携

共同開発によるカーボンフットプリントを低減したランニングシューズ

競合企業同士のパートナーシップで注目されるのは、シューズブランド大手「アディダス」と、サステナブルなシューズブランド「オールバーズ」です。2016年創業のオールバーズは、原材料にウールやユーカリの繊維、サトウキビなどの天然素材やリサイクル素材を活用するほか、サプライチェーン全体でのCO2排出削減を推進するなど、サステナビリティを追求しているブランドです。

アディダスは、2025年までにすべての製品のカーボンフットプリントの平均を15%削減する目標を、オールバーズは2030年までに製品ごとのカーボンフットプリントを95%削減するという目標を掲げています。

両社は2020年5月に、「CO2排出量ゼロのパフォーマンスフットウェア」の開発を目指すためのパートナーシップを締結しました。2021年12月には、第一弾のコラボ商品として、カーボンフットプリントを1足あたり2.94kg CO2e (二酸化炭素換算排出量)に低減したランニングシューズ「FUTURECRAFT.FOOTPRINT (フューチャークラフトフットプリント)」を発売。今年の4月には、カラーラインナップを増やしたモデルで展開を強化しています。両社の技術によって、低炭素な素材を使いながら、高い性能も維持した商品開発に成功しています。

サステナビリティ領域で、花王とコーセーが包括的な協働

水平リサイクルによる化粧品プラスチックボトル(花王「TWANY」)

日本国内でも、2021年10月に化粧品業界の大手2社である花王とコーセーが、サステナビリティ領域で包括的な提携を発表しました。両社は、環境配慮型素材を使った梱包材の導入や、資源循環、環境負荷の少ない原料調達、化粧品を通じた社会課題の解決などの面で、共同のプロジェクトチームを立ち上げて取り組んでいます。

第一弾として、花王がこれまで進めてきた化粧品プラスチックボトルの「水平リサイクル」(使用済み化粧品プラスチックボトルを回収し、化粧品ボトルへ再生)の取り組みと、コーセーが関わってきた「使用済みメイクアップ化粧品を再生利用し、絵具などの色材に活用する」取り組みについて、両社共同で強化をしていく計画です。

共通の課題を持つ競合企業同士だからこそ、それぞれで積み重ねてきた技術や取り組みを融合させることで、効率的・効果的に課題解決に向かっていくことができます。1社だけで取り組むよりも、大きなインパクトを広げることができ、双方のメリットとなっているのです。あらゆる企業がサステナビリティ課題への取り組みを加速させねばならない中、より実務的なレベルで、一歩踏み込んだ協働をしていくことが求められています。

宮原桃子/ライター)

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