LGBT=マイノリティ?みんなの人権テーマ「SOGI」

2020 / 11 / 9 | 執筆者:宮原 桃子 Momoko Miyahara

 

日本社会でも、今や当たり前のように「LGBT」や「性的マイノリティ」という言葉が認識され、性の多様性への理解が進みつつあります。多くの企業は、従業員や顧客などあらゆるステークホルダーのあらゆる多様性を尊重することを重要課題とし、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」施策を進めています。

ただ、「性的マイノリティ」という言葉には、どこか違和感があります。LGBTの人びとがマイノリティ、異性愛者がマジョリティという構図は、果たしてそうなのでしょうか。以前、ゲイとして小中学校や大学で教鞭をとってきた先生にお話を伺った時、目から鱗だったのが「性をグラデーションで考え、自分の性をそのグラデーションの中に位置づける」ということでした。「身体の性」「心の性(性自認)」「好きになる性(性的指向)」「表現する性(服装や言葉遣いなどの表現)」の4つの軸がグラデーションになっており、自分がどこに位置するのかは一人ひとり違います。例えば、異性愛者と自認していても、好きになる性が実は同性寄りだったりする人もいるでしょう。

自分とは異なる「性的マイノリティ」という多様性があるのではなく、マジョリティと言われる異性愛者も実は多様なのです。すべての人に違いがあるということは、誰かをマイノリティとは捉えられないのではないでしょうか。マイノリティ対マジョリティの構図は、一定の人たちを自分とは違う存在と捉え、保護・支援される側とする側といった形で、境界線を引いてしまう要素があります。しかし本来、性の多様性はすべての人に関わるテーマなのです。

「SOGI(ソジ・ソギ)※」という言葉を、最近目にすることが増えています。Sexual Orientation and Gender Identityの略で、性的指向と性自認を表しています。どんな性別を好きになり、自分をどんな性と認識しているかという、すべての人が持つ属性です。(※性表現(Gender Expression)のEを足して、SOGIE(ソジー・ソギー)ということもあります)

SOGIに関する差別や嫌がらせは「SOGIハラ」として、職場や学校などあらゆる環境で予防していくことが求められています。例えば、性的指向や性自認に対する差別的な呼び方、侮辱的な言動、いじめや暴力、不当な評価や扱い、SOGIについて本人の許可なく第三者に公表するアウティングなどがこれに当たります。また、私たちの生活の中には、無意識に前提としてしまっていること(無意識の偏見/アンコンシャス・バイアス)が意外にたくさんあるかもしれません。当たり前のように男性と女性に分けた環境や規則、会話などにも注意が必要です。

2020年6月1日(中小企業は2022年4月1日)から、いわゆるパワハラ防止法が施行され、企業は防止対策を講じることが義務付けられています。この法律では、性的指向や性自認に関するハラスメントについても規定されています。法的義務が課せられたことにより、企業におけるルール化や啓発活動など取り組みはさらに進むと思われますが、結局のところすべては私たち一人ひとりの意識にかかっています。

すべての人はグラデーションのような多様性の一部であり、性の多様性・SOGIの尊重は、自分とは異なる特別な誰かの話ではなく、誰にとっても「自分ごと」のテーマなのです。

(宮原桃子/ライター)

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