使い捨てプラ半減へ 小売企業の挑戦と可能性

2020 / 10 / 30 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

世界的に関心が高まるプラスチック問題ですが、コロナ禍における衛生面での対応やテイクアウト需要の高まりにより、一層の排出量の増加が懸念されています。そうした中、イオンが2030年までに製品における使い捨てプラスチックの使用量を半減する目標を発表したと報道がありました。

イオン、2030年までに「使い捨てプラ」半減へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/0c2f2ff38db493fc967b965c68c07cc26c0bfa41

具体的な取り組みとしては、PB製品の容器包装を紙やバイオマス・再生プラスチックに転換するほか、レジ袋などの販売用資材を削減するとのこと。国内の小売業界で、レジ袋やストローといった個別のアイテムにとどまらず、使い捨てプラスチックの総量を減らす目標を明確に打ち出した点は先進的といえます。

一方で、気になる点もあります。詳細が発表されていないため報道を見る限りにおいてですが、取り組みにリユースやリターナブルといった文字が見当たらないことです。紙やバイオマス・再生プラスチックへの素材転換は重要ですが、適切に調達され廃棄処理がされないと、別の問題を引き起こしてしまう懸念があります。

ともすると日本においては素材への切り替えにのみ注目が集まりがちです。しかし使い捨てプラスチックの大幅削減を達成するには、過剰な容器包装そのものを抜本的に見直し、商品の提供方法にリユースの観点を入れていくことが不可欠です。

英グリーンピースが発表した「Unpacked」というレポートがあります。ここでは、英国のスーパーは「リデュース(削減)とリユース(再利用)により、2025年までに容器包装における使い捨てプラスチックを半減できる」と指摘されています。

レポートでは、特に排出削減のポテンシャルが高い13種類の品目を特定し、使い捨てプラスチック削減のための方法を提案しています。例えば野菜や果物といった生鮮食品は包装なしでの販売やミストを導入することで、またジュースや炭酸といった飲料や、掃除や洗濯、入浴用の製品はリユースを前提とした販売方法に切り替えることで、それぞれ最大で70~90%の削減が可能と見積もっています。リユースを前提とした販売方法としては、デポジットの導入や日本でも実証実験が始まったLOOPの活用、詰め替えマシンの設置、量り売りなど、小売各社での取り組み事例も豊富に紹介されており、日本企業も取り組む上で参考になるものです。

さらに興味深いのは、レポート制作の過程で、NGOが小売企業と協働してワークショップを実施し、企業から販売データを提供してもらって分析を行っている点です。使い捨てプラスチックの削減は、企業1社で達成できるものではありません。サプライヤーの協力が不可欠であり、生活者側の行動変容も求められます。政府・自治体と政策や仕組みを作っていくことも必要です。

専門性のあるNGOとも協働しながら、取り組みを進めていく動きは、日本でももっとあっていいものです。そうした橋渡しの役割をどのように担っていけるか、私自身のテーマでもあります。

Photo credit: free stock photos by RitaE from Pixabay

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