Sustainability Frontline
グローバル300社、社会貢献活動のトレンド
Photo by CECP “Giving in Numbers Infographic 2018”
企業の長期的な価値創造を目指すイニシアチブ「CECP(The CEO Force For Good)」*が、
グローバル300社の社会貢献(企業市民活動)に関するトレンドをまとめたレポートを発行しました。
この調査は今年で13年目になります。
(※CECP:200社以上が参加し、売上の合計は約720兆円に及ぶ。)
2018年のレポートでは、
・より成果を重視した活動が増えている点
・従業員の巻き込みに力を入れる企業が増えている点
・社会的インパクト評価の普及
について焦点があてられています。
調査対象300社の社会貢献への投資総額は過去3年で15%増え、
238億米ドル(約2.6兆円)に達したそうです。
以下が主なポイントです。
◆活動の内容
・活動の成果を重視する傾向が高まり、より重要な領域に絞って活動を行う企業が増加。
・投資額が最も多かったのは、小〜大学生向けの教育で、投資に対するリターンが最も高いのは、雇用支援とSTEM教育であった。
・過去3年で最も成長したプログラムはプロボノであった。
(特に、公益事業、金融、消費財、IT、ヘルスケア、コミュニケーション分野の企業で多い)
・世界での自然災害の増加を受け、災害救援支援への投資額が過去3年間で200%増加した。
◆社会貢献活動への従業員の参加
・マッチング寄付が増加傾向にあるが、
企業がその使い道を戦略的に検討・投資しないと、継続が難しくなる点が指摘されていた。
・93%が国内で従業員ボランティアプログラムを提供しており、参加率は30%であった
(セクターとしては金融、地域ではアジアの参加率が高い傾向にある)。
・7つ以上のプログラムを会社が用意すると、選択肢が多すぎることから参加率の伸びが停滞する。個人が、いつ、どの分野で、どのような活動をするか選べる形が最も人気だという。
・実施率が高かったのは、1位:全社実施のボランティアデー、2位:有給ボランティア休暇、3位:ボランティアを送るNPOに金銭寄付も行うプログラムであった。
◆インパクトの測定・評価
・社会的インパクト測定が一般的化してきており、84%の企業が少なくとも1つの助成金または戦略的プログラムについて、アウトカム/インパクトの測定をしている。
・社会的インパクトに加えて、社会貢献活動が事業に与える影響を計測する企業も30%以上あった。これらの企業は、各活動に対して資金や人材を戦略的に配分し、過去3年間で投資額が増えている。
・測定の際に参考する資料として、他社の開示内容や、SDGsの指標が挙げられた。
・約半分の企業は社内で、残りの半分は外部専門家と協働して測定を行っている。
・多く使われる指標は、金融リテラシーの向上度、職業スキルの向上度、成績の変化、健康の変化、栄養改善度、食事の回数、自然環境の変化等であった。
レポートには活動の好事例も紹介されており、必要項目を入力するとダウンロード可能です。
エコネットワークスでは、海外レポートの要約サービスも行っています。