ゲームと依存の関係性 新たな課題にどう向き合う

2018 / 7 / 2 | カテゴリー: | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

13-19-10
photo by Dov Harrington

ゲームをしたい衝動をおさえられず、
日常生活よりゲームが優先。
家族や学業、仕事に重大な支障を及ぼす。
問題が起きてもやめられない。

そうした状態が12ヵ月以上続く。

このような「ゲーム障害」と呼ばれる症状を、
先月、世界保健機関WHOが新たな依存症の一つに
加えることを発表しました。

WHO、ゲーム依存症を「疾患」認定へ 予防や治療必要
https://www.asahi.com/articles/ASL6K741TL6KULBJ009.html

ゲームのやりすぎで廃人になる、という話は
友だちとの会話で冗談で使うことがありますが、
特にスマホやタブレットが普及したことで、
実際に「ゲーム障害」と考えられる人の割合は
ゲームをしている人の2~3%に上ると推計されています。

認定の上での判断基準となったのが、ゲームの依存性の有無。
科学的な見地から、タバコやアルコール、ギャンブルとの対比で
果たしてゲームには中毒性があるのかという点が議論されました。

依存性についての考え方はこちらの解説がわかりやすいです。

「ゲーム依存の実態と課題」(視点・論点)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/289702.html

ゲームの依存性をあおることにつながる仕組みの1つが、
ガチャ(海外ではルートボックス)と呼ばれる
課金することでアイテムをランダムに購入できる仕組みです。

投入資金の高額化や当たりの出る確率の不透明さが問題視されており、
欧米では「賭博」の一種であるとして規制の議論が進んでいます。

アップルは昨年自主規制として、ガチャによるアイテムの
入手確率の表示を義務付けることを発表しました。

国内では業界による取り決めはありますが、
どこまで有効に機能しているかは疑問です。

新しいビジネスが生まれ成長していく過程で、新たな社会問題が生まれることは不可避です。

「eスポーツ」に対する社会的な注目も高まっている中、
健全に産業が発展し、持続可能に事業を続けていくためにも、
問題の存在を明らかにし、どうしたら解決してていくことができるのか、
真摯に向き合い対応していくことが事業者には求められます。

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